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「自分自身のプレーが、自分の人生を決めていく」20歳日本代表・菅原由勢が語る“覚悟と危機感”
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byJFA
posted2020/11/27 06:00
次世代を担う戦力として森保ジャパンに招集された菅原由勢だが、出場時間はわずか5分にとどまった
自分のプレーが人生を決めていくシビアな世界で
今季、AZで2シーズン目を送る菅原だが、クラブでも出場機会減に苦しんでいる。リーグ戦では第8節まで行われ先発1試合、途中出場2試合。ヨーロッパリーグでは初戦ナポリ戦にフル出場しアウェイでの勝利に貢献したが、第2、3節と出場できていない。指揮官に直訴などもしたとの報道もあったが、それでもまずは自分にベクトルを向ける。
「小さなことを小さなことと捉えず、しっかり見つめ直すと言うか。一つ飛ばし二つ飛ばしをしないように、ひとつひとつ段階を踏みながら、やっていくというのを意識しています。僕は、すぐに何かができるようになる天才ではないですが、時間をかけて磨いて磨いて磨いたら、(技術などを)より自分のものにできるんです。こういう(試合から遠ざかっている)時間を大事にできれば、この先、自分が描いていた以上の選手になれると思っています」
じっくり長期目線で足元を見つめつつ、悠長に構えているばかりではない。欧州にいればワンプレーワンプレーに人の目が光り、移籍市場に常にさらされているような状態だ。
「チャンスを殺すのか、掴むのか。自分自身のプレーが、自分の人生を決めていくので、本当にシビアな世界だなというのはオランダに来てより強く感じています。まあ時間なんてすぐ過ぎてくので、大胆に動くときは動かなきゃいけないし、勝負かけるときはかけなきゃいけない。危機感しかないですね」
19歳で渡欧した20歳はなかなか現実的でもある。
2020年の代表活動は菅原にとっては苦いものとなった。ただ、まだまだこれはスタート地点に過ぎない。イレギュラーな状況の中そのスタート地点に立てた菅原のチャレンジはまだまだ始まったばかりだ。