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藤原恭大らと同じミレニアム世代…“早慶戦で劇的2HR” 早大・蛭間拓哉が2年生で「覚醒」したワケ

posted2020/11/23 11:02

 
藤原恭大らと同じミレニアム世代…“早慶戦で劇的2HR” 早大・蛭間拓哉が2年生で「覚醒」したワケ<Number Web> photograph by Kyodo News

ヤクルトの“ドラ1”木澤相手に逆方向へのホームラン。蛭間拓哉、その才能は徐々に開花しつつある

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大島悠希

大島悠希Yuki Ohshima

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 戦後初となる無敗同士の対決となった今秋の早慶戦は例年にない盛り上がりを見せた。1回戦は早大・早川隆久と慶大・木澤尚文のドラフト1位によるエース対決。そして2回戦は両軍合わせて計14投手が登板する総力戦となった。

 その激闘を一層引き立たせたのが早大の若きスラッガー蛭間拓哉だったことは、野球に造詣がある人なら誰もが知るところだろう。早慶1回戦では7回に勝ち越しの、2回戦では9回に逆転の本塁打を放ち、早大を10季ぶり46度目の優勝に導いた。

プロ志望届を出さず、大学進学へ

 2018年夏の甲子園は第100回全国高等学校野球選手権記念大会ということもあり、大会前から大いに注目を集めていた。絶対王者・大阪桐蔭をどこの高校が倒すのか。世間の関心はその1点に集められていたと言っても過言ではなかった。その中で対抗馬として挙がっていたチームの一つが浦和学院だった。

 プロ注目の本格派右腕・渡邉勇太朗と共にチームを牽引していたのが、当時主将を務めていた蛭間。高校通算28本塁打の長打力に加え、抜群の走塁センスと強肩を兼ね備えていた。準々決勝の大阪桐蔭戦では無安打に終わり、甲子園を去ったが、U-18高校日本代表に選出。副将を務めるなど、"ミレニアム世代(2000年度生まれ)"の中心的存在の1人であったと言える。

 その中で蛭間はプロ志望届を出さずに大学進学を選択した。「まだまだ実力も身体も弱い部分がある」と冷静に自分を見つめた上での結論であった。その年のドラフト会議では根尾昂(大阪桐蔭、現中日ドラゴンズ)、小園海斗(報徳学園、現広島東洋カープ)に4球団が、藤原恭大(大阪桐蔭、現千葉ロッテマリーンズ)に3球団が入札するなど、高卒野手に計11球団が殺到する人気ぶり。次の球界のスターを取り囲みたい各球団の思惑を感じさせるものがあった。

 その中で蛭間は走攻守3拍子揃った選手を目指し、自らの技術を4年間磨くことを決めたのだった。

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