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久保建英に「え、これホント小学生?」から約5年 永里優季、“男性とサッカーできる”心身の秘訣
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byGetty Images
posted2020/11/05 11:02
アメリカ生活や日々のトレーニングなどでたくましさを増した永里優季。男子チーム加入も自然なことだった
建英、長友さんと練習してみると……
――では、それまでは中西さんとトレーニングを積んでいたけれど、生かせていなかったと。
「トレーニングをしていると、今のままの身体ではこの技術は発揮できないな、って自分で気づくんですよ。でも、中野さんと出会って、身体を見てもらうようになったら、ああ、そういうことなのかって。それからの2、3年で理論と技術、身体との歯車が噛み合っていって、成長スピードが上がっていったんです」
――中西さんとのトレーニングでは、小学生時代の久保建英選手(現ビジャレアル)やインテル時代の長友佑都選手(現マルセイユ)とも一緒にトレーニングを積んだそうですね。
「建英に関しては、え、これホントに小学生ですか? っていう(笑)。小学生なのに私よりも強いボールを蹴るし。長友さんとのトレーニングでは、男子のトップ・オブ・トップのレベルを体感させてもらって、もうショックでしたね。こんなにも差があるものなのかと。5年くらい前のことなので、今なら違う感覚になるんでしょうけど、そのときはものすごく差を感じました」
全集中しないとボールが止まらない(笑)。
――どこにですか?
「まずは球の重さとスピードですよね。ボールを止めるだけで精一杯。重いんですよ。だから、全身がちゃんと繋がっている状態で、『鬼滅の刃』風に言うと、『全集中』しないと止まらない(笑)。ボールを止めるだけでエネルギーを消費しちゃうんです」
――吹っ飛ばされるんじゃないかっていうくらいの?
「ドスンと来る。パスコン(パス&コントロール)をやっているだけで疲労困憊。これじゃ話にならないなって(笑)」
――そこからよく男子サッカー挑戦を実現させましたね。
「ホントですよ(笑)。よく諦めなかったなって」