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リバプール“10年無敗”のマージーサイドダービー 首位エバートンに逆襲チャンス到来
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2020/10/17 11:01
両軍の本拠地の距離は歩いて15~20分程度。“ご近所さん”のリバプール相手にエバートンはアンフィールドで久々の勝利となるか
ハメスがエバートンにもたらしたもの
ただ今季は、下馬評通りとはいかないかもしれない。
要因のひとつは何といっても51年ぶりの開幕4連勝を果たしたエバートンの好調ぶりだろう。
昨季途中に始動したカルロ・アンチェロッティ体制2年目は、愛弟子のハメス・ロドリゲス、アランを獲得してスタートした。前者はレアル・マドリードとバイエルンに所属し、後者はナポリで現在61歳のイタリア人監督に仕えたミッドフィルダーだ。同じくワトフォードから新加入のアブドゥライェ・ドゥクレも含めて、彼ら3人の獲得はてき面に効いた。
なかでもハメスの存在は早速大きな影響をもたらしている。ここ数年、エバートンには彼のようにチャンスを演出できる司令塔タイプの選手はいなかった。
実際19-20シーズン、チーム最多のキーパス本数を記録したのはサイドバックのルカ・ディニュだった。総数72本で、1試合あたりに換算すると2.1本だ。
そして今季のハメスはここまで4試合でキーパス12本。現在リーグで4番目に多い数字だ。昨季のエバートンの中盤に欠けていたものを、完全に補っている。
ルーウィンも好調、懸念は最後尾
彼の存在は開幕から4戦連発中、現在6ゴールのドミニク・キャルバート・ルーウィンにとっても心強いはずだ。
『DAZN』の番組内でも彼が特集されていたが、今季はよりストライカーとしての仕事に集中できている。これはハメスがチャンスメイクの役を担っている効果だろう。
新戦力ハメスが舵を取るプレミア随一の攻撃陣は、リバプールをも苦しめるに違いない。
エバートンに懸念があるとすれば最後尾だ。GKジョーダン・ピックフォードの様子が最近おかしい。
カラバオカップ3回戦のフリートウッド・タウン戦、直近のブライトン戦では自身のミスから失点。イングランド代表の守護神には相応しくないパフォーマンスが続いている。
彼のパフォーマンスに不安を募らせたクラブは先日、ローマからスウェーデン代表GKロビン・オルセンをローンで獲得した。といっても、あくまでバックアッパーとしてだろう。