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遠藤保仁、ジュビロ移籍は存在価値を示す挑戦 “俺が俺が”ではなくサッカーに「思考」を
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byGetty Images Sport
posted2020/10/09 20:00
ガンバ大阪のバンディエラ的存在だった遠藤。新天地で存在価値を示せるか
今の若い選手は“俺が俺が”になりすぎている
昨年、日本人初となる公式戦1000試合出場を記念したNumber本誌記事のインタビューでこう語っていたのを思い出した。
「今の若い選手はちょっと“俺が俺が”になりすぎている感はあるのかなって。相手が前にいるのに、敢えて突っ込んでいったり、そんなプレーが増えてきた。周りには10人の仲間がいるんだよっていうのをもっと感じてほしいし、学んでほしい。悪く言えば、サッカーを賢くやらなくなっている、良く言えば“俺が俺が”が正解になりつつある。(サッカーの世界では)1人で流れを変えるってこと、なかなかないと思うんです。メッセージを出すほうとメッセージを受けるほうが感じ合って、流れは変わる。だから良いときも悪いときも、1人じゃ何もできない。だから周りを賢く見ていかないといけない。僕はそう思うんですけどね」
“俺が俺が”を正解としないためにも、新天地で何をやりたいかが見えてくる。
そもそも極めて厳しいとは思っていない
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そしてもう1つが、逆境に対するチャレンジ。
ジュビロは現時点で勝ち点30の13位。昇格ラインの2位のアビスパ福岡とは勝ち点で「16」も開いている。残り18試合であることを考えると、極めて厳しい状況だと言える。
新入団会見で当然この質問が飛んだ。
遠藤はそもそも極めて厳しいとは思っていない。
「十分間に合うところにいると僕は思っています。福岡がいい例で連勝すれば一気に上に行く可能性もありますし、ここであきらめるのは簡単なこと。より多くの試合で勝ち点3を取れば十分可能性はあると思っています」
可能性がある限りあきらめる必要などない。