バレーボールPRESSBACK NUMBER
柳田将洋が4シーズンぶり復帰のサントリーに与える刺激「新人同然なのでハツラツと」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNoriko Yonemushi
posted2020/09/09 11:40
4季ぶりにサントリーに復帰した柳田。古巣とはいえ、在籍当時に共にプレーしていた選手はたった4人のみだという。
バレーボールに没頭できる環境
プロ選手として海外でもまれた経験や、来年の五輪を控えたモチベーション――。目の色が違う理由はそれだけではないと柳田は言う。
「やっぱり日本なんで、言語の、コミュニケーションのストレスがないじゃないですか。それに食事や生活リズム、天候とか、普段の生活にもあんまりストレスがない。海外だと、どこに行くにもちょっと考えながら、気を張っていたけど、日本だと何も気を使わなくていい。そういうのはいいところの1つですね」
ストレスがないことで、バレーボールに没頭できていると言う。
「それに、知らない選手が多いので目新しさもある。僕も今ここでは新人同然なので、ハツラツとやろうかなと思っていますから」
若手との距離を埋めるコミュニケーション
若手にとっては大きすぎる“新人”だ。かつて一緒にプレーしていた選手は今は4人だけで、ほとんどが柳田が海外に移籍した後に入団した若い選手たち。彼らにとって柳田は“代表キャプテン”という遠い存在だった。合流した当初、彼らがそうした目で、少し距離を置いて見ているのを柳田は感じた。
その距離を縮めるために、若い選手ともフランクに話をした。練習中は厳しい言葉を発することもあるが、オンとオフのメリハリはつける。
1年目のセッター西田寛基は、「テレビの中でしか見たことがない人だったので、遠い存在だったし、堅い感じなのかなと思っていたんですけど、すごくフレンドリーに話しかけてくれて驚きました」と言う。
それは海外でやってきたことと同じ、柳田にとってはごく普通のことだった。
「お互いのことを知るにはまずコミュニケーションだと思うので。日本では“感じる”とか“察する”という面もあるけど、1シーズン、1シーズンが勝負の世界では、そんなところに時間をかけている余裕がない。言いたいことがあったら言っていったほうがいいと思うので」