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ハーランドに南野拓実、ファン・ヒチャン。翼をさずける“レッドブル産”注目銘柄。
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2020/09/04 20:00
ザルツブルクだとハーランドにファン・ヒチャン、南野拓実、ライプツィヒだとベルナー。“レッドブル産”は欧州各国リーグで大人気だ。
ベルナーは5300万ユーロでチェルシー!
そんなプレミア王者すらも虜にさせる若手の宝庫から、これまで17人もの補強をしているRBライプツィヒの主な売却選手をさかのぼる。
【RBライプツィヒ】
《2020-21シーズン(今夏)》
ティモ・ベルナー→チェルシー
移籍金:5300万ユーロ
《2019-20シーズン》
マテウス・クーニャ→ヘルタ・ベルリン
移籍金:1800万ユーロ
ブルマ→PSV(オランダ)
移籍金:1500万ユーロ
ディエゴ・デンメ→ナポリ
移籍金:1200万ユーロ
《2018-19シーズン》
ナビ・ケイタ→リバプール
移籍金:6000万ユーロ
ベルナルド→ブライトン
移籍金:1000万ユーロ
《2017-18シーズン》
オリバー・バーク→WBA
移籍金:1520万ユーロ
ひときわ目を引くのはやはり、ライプツィヒ史上最高の取引金額でリバプールに渡ったケイタと、今夏チェルシーへのステップアップを果たしたベルナーだろう。特に後者は在籍4シーズンで公式戦159試合95ゴール、昨季はブンデスリーガ得点ランク2位の28ゴールを挙げてドイツ屈指のストライカーにまで上り詰めた。
若くしてブンデスリーガでの実績を残し、さらなる飛躍を求めてプレミアリーグのビッグクラブ移籍。まだ24歳。ベルナーにとって最高のタイミングだ。
若くして欧州トップレベルを体感。
そもそもライプツィヒ自体が10年前には5部相当に属していた成り上がりのクラブなので、ここまで主力選手の売却にはさほど積極的ではないところがあった。
実際ここ1年の間にも元フランスU-21代表のクリストファー・エンクンク(22歳)や、バルセロナのカンテラ出身で昨年スペイン代表デビューも果たしたダニ・オルモ(22歳)など、若手の補強に勤しんでいる。
一方でライプツィヒを最終目的地とする選手は少ない。所属選手の多くにとってライプツィヒは「若くして欧州トップレベルの戦いを経験できる」クラブという見方だろう。
歴史や名誉、ステータスといった他のビッグクラブが長い歳月をかけて培ってきたもの――例えばバルサやレアル、ベルナーの移籍したチェルシーには遠く及ばない。本当の意味で憧れを抱かれるようなクラブになるには、しばらく時間がかかりそうだ。