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ハーランドに南野拓実、ファン・ヒチャン。翼をさずける“レッドブル産”注目銘柄。
posted2020/09/04 20:00
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Getty Images
誰しも、買い物をするときは自分にとって“安心のブランド”を選びたくなるものだろう。筆者だってそうだ。イヤホンはソニー製を使うと決まっているし、いつでも食べたいと思える行きつけのパン屋があって、エネルギーを欲しているときには――大抵レッドブルを飲む。
欧州のビッグクラブにとっても、今や「レッドブル」は安心のブランドだ。
とはいっても、庶民と同じ物差しで言っているのではない。ここでいう「レッドブル」とは、レッドブル社の傘下にあるドイツのRBライプツィヒ、そして同社がメインスポンサーを務めるオーストリアのレッドブル・ザルツブルクのことである。
経営上は独立関係にあるが、兄弟同然の2つのサッカークラブだ。
ともに昨季のCLで存在感を見せた。
前者は2019-20シーズンのブンデスリーガで3位、CLでは準決勝進出を果たすなど、ドイツの強豪としての立場を確立。後者は過去に宮本恒靖や三都主アレサンドロに南野拓実、現在は奥川雅也が所属しているクラブとして日本人にもなじみ深い。
2019-20シーズンのCLグループステージ第2節、リバプール戦もザルツブルクの知名度向上に一役買った。何せあの難攻不落の要塞アンフィールドで、前回王者のリバプールに3得点、あと一歩で勝ち点を持って帰ろうというところだったのだから。正直なところ、ヨーロッパ内ではレベルが高いとは言い難いオーストリアのクラブが見せた戦いは、世界中のサッカーファンに衝撃を与えた。
そんな両クラブが注目を集めているのは成績だけではない。ここ数年にわたり移籍市場を賑わし続けているのだ。
ラルフ・ラングニックが最初にザルツブルクとライプツィヒの統括スポーツディレクター(SD)に就いたのが2012年7月。今となってはこの2クラブの代名詞ともいえる若手育成を彼が植え付けて8年で、この独自路線は実を結びつつある。
では近年この2クラブからどんな選手がステップアップを果たしているのか。移籍専門サイト『Transfermarkt』のデータをもとに、主な売却履歴を見ていくとしよう。