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「勝つチャンスはどちらにもあった」元日本代表監督・トルシエが語る“PSGがバイエルンに勝てなかった理由”。

posted2020/09/05 18:00

 
「勝つチャンスはどちらにもあった」元日本代表監督・トルシエが語る“PSGがバイエルンに勝てなかった理由”。<Number Web> photograph by BUNGEISHUNJU

ベトナム在住のトルシエは、電話で取材に応じてくれた。

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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 フィリップ・トルシエとは、当初CL決勝翌日(8月24日)の午後3時(=ベトナム時間、以下同じ。日本との時差は2時間)に電話で話すことになっていた。ところがその日、午後はずっとミーティングが入ったので午前11時に変更したいというトルシエからのメッセージに気づかず、返信を返したのはベトナム時間で午後2時を過ぎていた。指定された午後5時15分に電話すると、午後7時にかけ直して欲しいという。聞けばこの日から、自身が監督を務めるベトナムU19代表の、U19アジア選手権(10月、ウズベキスタン)に向けての1週間の合宿が、やはり自身がディレクターを務めているPVFアカデミー(私的な育成機関でありながら、その施設は日本のJヴィレッジに相当する位置づけにある)で始まったという。

 今季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝ラウンドは、コロナ禍の影響でベスト8以降はポルトガルでの一カ所集中開催となった。従来のホームアンドアウエーではない中立地での無観客試合の一発勝負。この大会方式の変更が、ドイツ勢対フランス勢という思いもよらなかったベスト4対決を実現させたのだった。

 決勝はバイエルン・ミュンヘン対パリ・サンジェルマン(PSG)。過去5度の優勝を誇るドイツの名門と初優勝の野心に燃えるフランスの新興勢力の対決を、フランス人であるトルシエはどんな思いで見ていたのか。トルシエが語った。【全2回の1回目/#2(https://number.bunshun.jp/articles/-/844909)へ続く】

――今日はこの後も練習(U19代表合宿)があるんですか。1日に何度練習しているのでしょうか?

トルシエ 朝10時と夜9時の2回だ。

――昼間は暑いから避けているのですか?

トルシエ 暑さもあるし、私はPVFに所属しているからそのアカデミーの活動もある。

――合宿もPVFでおこなっているのですね。

トルシエ そうだ。1週間の予定だ。しかし大会(U19アジア選手権)そのものが中止になるのではないか。開催できるとは思えない。君はどう思う?

――たしかにAFCは何も言っていませんし、メディアの取材申請も始まっていません。

トルシエ 延期せざるを得ないのではないか。あらゆる世界大会が延期されている。AFCも同じようにしないわけにいかないだろう。

――コロナ禍が収まっていない現状では、数カ月ないし1年の延期は当然かもしれません。

トルシエ たぶん来年の2月か3月に延期されるだろう。

両チームはほぼ同じ要素を揃えて試合に臨んだ。

――それでは始めましょう。仏独のビッグクラブの対戦となった昨日のCL決勝を見て、どんな感想を持ちましたか?

トルシエ 結果はどちらに転んでもおかしくなかった。勝つチャンスはどちらにもあった。このレベルの試合では、先制点が試合の流れに大きな影響を与える。PSGにも先制の機会は十分にあった。

【次ページ】 ネイマールとムバッペの個人の爆発に頼っていた。

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