フランス・フットボール通信BACK NUMBER
幻のバロンドーラー、レバンドフスキ。
活躍の陰に妻アンナとの生活改善が。
text by
アントワーヌ・ブーロンAntoine Bourlon
photograph byBernard Papon/L'Equipe
posted2020/08/22 18:05
レバンドフスキのアスリートとしての能力を上げることに一役買った、元トップアスリートにして栄養士の妻・アンナと。
睡眠についての、自身の考え方は?
――睡眠についても随分と研究をされたようですが。
「それもまたとても重要だ。特に今のように、水曜・土曜と試合が続く時期には。
通常、水曜は試合の後、深夜0時か1時に帰宅する。そこで十分な睡眠が取れなければ、身体はエネルギーを補填できない。回復のための時間は2日しかない。
これがもし週に1試合のサイクルならば、すべての面で落ち着いて過ごすことができる。試合のリズムを考慮したら、睡眠が最優先事項となる。できるだけ長く深い睡眠をとり、リフレッシュした状態で次の試合に臨む。
どれだけの準備をしたからどれほどのことが可能なのかを、試合の度に自分の身体に問いかけているよ」
「子供たちに進むべき道を示すために」
――サッカー選手は人々の模範になるべきと考えていますか?
「ことはそう単純じゃない……。選手はピッチ上のパフォーマンスを見られているだけでなく、試合の後、家で何をしているかまで世間の目に晒される。だからこそ嘘偽りのない自分自身であらねばならない。そうなれるように僕はできる限り努めている。
子供たちは僕らを見て、僕らのようになりたいと思い、僕らの真似をするだろう。だからこそ僕らは最高の模範を示さなければならない。子供たちに進むべき道を示すために。ただ、それは、簡単なことではないけれども……」
――なぜでしょうか?
「たとえばあることを認めたがらない人は多い。ゴールを決めたと聞いたら、『彼なら2~3点取れたはずだ。1点では不十分だ』と答える。人は常に過剰な期待を抱き、選手が能力を発揮したことを評価しない。彼らのほとんどは、特定の数字だけでパフォーマンスを判断するし、ときには試合すら見ようとはしない。正しい態度ではないし、喜ばしくもないが、それもまたサッカーということだ」