フランス・フットボール通信BACK NUMBER
幻のバロンドーラー、レバンドフスキ。
活躍の陰に妻アンナとの生活改善が。
text by
アントワーヌ・ブーロンAntoine Bourlon
photograph byBernard Papon/L'Equipe
posted2020/08/22 18:05
レバンドフスキのアスリートとしての能力を上げることに一役買った、元トップアスリートにして栄養士の妻・アンナと。
なぜコーヒー販売の事業を始めたのか?
――あなたはドイツでコロナ対策に積極的に関わっていますし(100万ユーロを寄付)、人種差別反対のメッセージも多く発しています。それもまたサッカー選手としての在り方なのでしょうか?
「その通りで、とても重要なことだ。何かいいことを示して見た人が何かを触発されたら、それは僕にとってひとつの勝利だ。多くの人がいいことをするようになれば、正のスパイラルがはじまる。あまり表立って話したいことではないけれど……。人に知られずに活動していきたい」
――自身でコーヒーを販売するなどサッカー以外の活動も展開してますが、スポーツ以外の分野での活動も重要でしょうか?
「たしかにサッカー以外で幾つかのことをしている。コーヒーは友人が話を持ってきた。
彼がそのコーヒーの味を気に入り、もっと世の中に広めたいと思うようになった。僕らは議論を重ねながら微妙な匙加減を調整して、少しずつ味を改良していった。そして最終的に、『この製造方法で間違いないな?』『OK、それでいこう』ということになり販売を始めたわけだ。
現役引退後はもちろん、現役を続けている今でさえ悪いことではないと思う。もちろん僕はサッカーに100%集中しているけど、試合や練習の合間に多少なりとも自由な時間がある。そんな時間に何かするのを禁じられてるわけじゃない」
「生涯最高の時期がもうすぐやって来ると確信している」
――現在31歳(註:6月20日現在。8月21日に32歳となった!!)ですが、キャリアの最高の時期を迎えていると思いますか?
「うーん、それはまだかな。たぶんもうすぐピークが来る。生涯最高の時期がもうすぐやって来ると確信している。ただ、それは、数字で示せるものじゃない。それに契約もこれで終わりではない(昨年夏にバイエルンと2023年まで契約を延長)。できる限り長くプレーし続けたいしトップフォームを維持していたい。
僕には先のことを考える時間がある。でも今はとても充実している。この8月21日に32歳になるけど、年齢を実感してはいない。現在のサッカーとサッカー以外の活動を考えたとき、年齢には何の意味もない。この先2~3年だけトップでいるのではなく、僕はもっと長いスパンを見据えている」