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若き天才監督ナーゲルスマンの思考。
CL準決勝でトゥヘルと運命の決戦。
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2020/08/18 19:00
いわゆる“ラップトップ”型監督が台頭しているブンデスリーガだが、ナーゲルスマン監督はその中でも図抜けた存在になりつつある。
トゥヘルの助言がきっかけだった。
CL準決勝という運命の一戦を、ナーゲルスマンはどのように心待ちにしているのだろう。ただの一戦ではない。
実はナーゲルスマンが引退を決意し、指導者としてセカンドキャリアを踏み出すうえで1つの方向を示した人物がいる。それが次に対戦するパリSG監督のトーマス・トゥヘルだ。当時アウクスブルクU23の監督だったトゥヘルの助言が、新世代の指導者誕生のきっかけとなったのだ。
アトレティコ・マドリー戦後に「次の試合に向けてどんな準備をするつもりか」という質問に対して、つとめて冷静に「よく食べて、よく飲んで、アルコールじゃないよ(笑)。たくさん水を飲んで、体内水分の貯蔵量を満たして、たくさん寝て、そして試合に臨む」と答えていた。
話し方は冷静だが、気持ちは熱く燃え上がっている。
「タイトルを目指すという言葉を口にするつもりはないが、いうまでもなく、決勝進出を果たしたいという強い思いがある。また新しいアイディアが生まれ、いいゲームができることを祈っている」
ブラジル代表ネイマール、フランス代表ムバッベら、各国スター選手がスタメンに名を連ねるパリSGを相手に、ナーゲルスマンはどんなアイディアを見せてくれるのか。
世界が注目する中、2人のドイツ人指導者がCL準決勝という舞台で、これまでのすべてをかけて試合に挑む。