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室屋成が語るドイツ移籍とFC東京愛。
「健太さんが“頑張って来いよ”と」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byF.C. TOKYO
posted2020/08/17 08:00
ハノーファー移籍直前、インタビューに応じてくれた室屋成。FC東京での経験を心に刻んで、ドイツでの戦いに身を置く。
元気くんからは「来るっしょ」と(笑)。
室屋の移籍するドイツ2部のハノーファーは、かつて清武弘嗣、酒井宏樹、山口蛍が在籍し、現在は原口元気が所属していることで知られる。昨季は6位に終わり、3シーズンぶりの1部復帰を目指すチームだ。
「日本人に対して理解のあるクラブだと思うので、適応しやすい環境だと思います。僕がどういう選手なのか、元気くんが監督やGMに伝えてくれたみたいで。僕もチーム状況を元気くんに聞いています。そこまで深く話したわけではないですけど、『来るっしょ』みたいな感じで(笑)」
1部昇格に貢献することが、最大のミッションだ。一方、室屋がひそかに楽しみにしているのが、ピッチ外での経験である。異国の文化に触れ、果たして自分はどんな風に変わっていくのか……。
「島国の日本でずっと育ってきた。向こうに行けば、自分の考えと違ったり、驚くことばかりだと思うんですけど、違う文化に触れることは日本にいるとなかなか難しい。いろんな文化に触れたりするのが僕は好きだし、言葉が通じない状況で、ひとりの人間として幅を広げるというか、いろんなものを吸収したいという想いがあります」
南野も「近くなるな。会えるやん」。
まだ多くの選手に移籍の報告ができたわけではないが、東京のチームメイト、原口と並んで連絡を取った数少ない選手のひとりが幼馴染の盟友、リバプールの南野拓実だ。
「移籍がだいたい決まりそうなタイミングで連絡したんですけど、喜んでくれましたね。『近くなるな。会えるやん』って。アドバイスは特にないです。『メンタルでしょ』みたいな感じでした」
ちなみに、ひと足先に欧州に旅立った橋本とは、連絡が取れていないという。
「ロシアはLINEが繋がらないみたいで。だから、インスタのメッセージを送ったんですけど、まだ返事は来てないです(笑)。1カ月前、拳人くんが移籍するとき、『拳人くん、行っちゃうの?』みたいな感じだったのに、まさか僕も行くことになるなんて」