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マンC、資本の力でCL出場禁止回避?
モウが皮肉、クロップは未来を憂慮。 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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posted2020/07/16 19:00

マンC、資本の力でCL出場禁止回避?モウが皮肉、クロップは未来を憂慮。<Number Web> photograph by Getty Images

来季から2シーズンのCL出場禁止処分を回避したマンチェスター・シティ。この判決は、コロナ禍の欧州サッカーに大きな影響を与えるはず。

モウリーニョ、クロップの重い言葉。

 同裁判所は判決の理由を「申し立てられた違反のほとんどは立証されなかったか、時効だった」としている(詳細は近日中に公開される予定)。本当のところは当事者たちにしかわからないし、この判決にはカネだけがモノを言ったわけではないかもしれない。

 ただいずれにせよ、UEFAのFFPの形骸化が広く懸念されており、「FFPよ、安らかに眠れ」というツイートがトレンドになり、トッテナムのジョゼ・モウリーニョ監督は「FFPは終わったと本気で信じている。サーカスの扉は開かれたのだ。存分に楽しもうではないか」と彼らしいシニカルなコメントを述べている。

 かたや、リバプールのユルゲン・クロップ監督は「FFPが続くことを心から望んでいる。私はそれがフットボールのために機能していると思う。もし誰もフットボールのことをきちんと考えなくなってしまえば、もっともリッチな人や国がフットボールを好きにするようになるだろう。そうなると、(これまでの)大会(方式)が極めて難しいものとなり、(もっともリッチな)10クラブによる世界スーパーリーグみたいなものに導かれてしまうだろう」と話した。

デブライネ引き止め、大型補強も。

 この判決により、来季のチャンピオンズリーグに出場できることになったシティのメリットは大きい。

 なにより「2シーズンもチャンピオンズリーグに出られないなら、未来について考える必要がある」と公言していたケビン・デブライネら、主力選手を引き止められるだろう。去就について明言していなかったペップ・グアルディオラ監督も、再び腰を据えて欧州制覇への道筋を描けるようになるはずだ。

 そして早速、今季終了後の移籍市場では、総額およそ1億5000万ポンドを投じて、複数の新戦力を獲得するのではないかと見られている。

 最優先は守備陣、特にCBと左SBだ。崩れやすかった最終ラインは、今季の不安定な戦いぶりを招いた要因と指摘されており、指揮官のバイエルン時代の教え子ダビド・アラバやナポリのカリドゥ・クリバリらがターゲットに挙がっている。

 アタッカーとしては、バレンシアのフェラン・トーレスやインテル・ミラノのラウタロ・マルティネスといった名前がメディアを賑わせている。前者は今季限りでクラブを去るダビド・シルバ、後者は退団が噂されるセルヒオ・アグエロの同胞で、両者ともに後釜として期待できそうだ。

【次ページ】 アブラモビッチを皮切りに……。

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