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楽天の試合は公式コメントに注目!?
“打撃と言葉の魔術師”島内宏明。
posted2020/06/18 19:30
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
Kyodo News
プロ野球中継に造詣が深いファンであれば、その眼と同じくらい、耳にも神経を尖らせているはずである。
リポーターが実況や解説のタイミングを見計らって、打点を挙げた打者や投手の降板後の球団公式コメントを差し込む。スポーツ紙もインターネットの速報記事として届けているが、いかんせん試合中であるため、くまなくチェックする人間は、多分少ない。
それもそうか。選手たちは試合に集中しており、コメントのほとんどが「チームに貢献できてよかった」「次も打ちたいですね」といった、当たり障りのないものである。ならば、試合を観ていたほうが――球場で応援するファンであればなおさらだろう。
しかし、時に“ネタ”も落ちているのだ。
私がよく知る楽天はどうか。
はっ……もしや!! そう反応したファンのあなた、本物です。
島内宏明。プロ9年目の30歳。
今や絶対的な外野のレギュラーである彼は、時折……いや、かなりの頻度でファンタジックな公式コメントを残すのである。
伝説の『公式 島内コメント』をピックアップ!
おそらく、あれが最初だったと思う。
2016年8月31日。
初めてレギュラーを獲得し、リードオフマンとして快打を連発していた島内は、東京ドームで行われた前日の日本ハム戦で2本塁打。そしてこの日も、同じ球場で暴れた。
4回にはタイムリーを放ち、6回の第4打席では豪快なアーチを描いた。その時の公式コメントで、彼は嬉々としてアピールした。
<東京ドームに来て、飲み物をアップルジュースに変えてから調子がいいので、次も打席前に飲みたいと思います。アップルジュースパワーですね(笑)>
この日は結局、3安打1本塁打。効果は嘘か誠か、結果的に東京ドームのアップルジュースが島内に力を与えたわけだが、それからというもの、彼はウィットに富んだコメントを楽天ファンに数多くお届けしているのである。
そこで今回、楽天の開幕を祝して、近年の印象深い『公式 島内コメント』をピックアップして紹介したい。
※球団公式コメントは、原文のままで掲載しております。