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楽天の試合は公式コメントに注目!?
“打撃と言葉の魔術師”島内宏明。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byKyodo News
posted2020/06/18 19:30
DeNAとの練習試合で、先制2ランを放ってナインにエアタッチで迎え入れられる島内宏明。
「カメレオン島内」編
相手投手の適性を見極め、場の空気を読み、技術向上にも余念がない。その打撃、まさに変幻自在である。
●2018年6月12日 中日戦 6回に山井大介からタイムリー三塁打
「打ったのはストレートです。激シブ打法ですね。いい追加点になって良かったです」
7番打者として出場し、初回に「渋めにいきました」とタイムリー。2本目となるこの一打に「激」を付与させることによって、昂揚感を打ち出したか?
●2018年9月6日 オリックス戦 4回に東明大貴からタイムリー
「打ったのはフォークだと思います。先制のチャンスでしたし、初回、ホームで刺されていましたからね。なんとかしたいと思っていたので、しっかりランナーを返せて良かったです。どすこい打法ですね」
'19年から「どすこ~い!」と本塁打セレブレーションを披露する、西武の山川穂高のお株を奪うコメント……というか元祖か? この打法の起源は、2日後に明かされる。
●2018年9月8日 日本ハム戦 2回に上沢直之からタイムリー
「打ったのはカーブです。田中選手に打ち方を教えてもらいました。いいところに飛んでくれましたね。どすこい打法です」
どうやら「どすこい打法」は、チームメートの田中和基から伝授されたらしい。ノーステップ打法でブレイクを果たした若手から得たプラシーボ効果。
●2018年9月15日 ロッテ戦 1回に二木康太から本塁打
「打ったのはストレートです。いきなり田中選手が打ったので自分も続きました。どすこい打法です」
“どすこい師匠”の田中が先頭打者アーチを放ち刺激を受けた。2番のオコエ瑠偉がサードゴロに倒れたあと、3番の島内もレフトスタンドに鮮やかな一発をお見舞い。
●2018年9月15日 ロッテ戦 4回に二木康太からタイムリー二塁打
「打ったのはストレートです。いいピッチャーからまた打てて良かったです。連続どすこい打法です」
新打法が馴染んできたか、投手をベンチへ押し出さんばかりのタイムリー。ちなみに、6回にもこの日2本目の本塁打を放っており、島内の“おかわり”で10-3の快勝。
●2019年4月10日 西武戦 5回に武隈祥太からタイムリー
「打ったのはストレート。みんながつないでチャンスを作ってくれましたからね。いいところでいい1本が打てて良かったです。『寒いの飛んでけ!』打法です」
気象庁のデータによると、5回(20時くらい)の所沢市(メットライフドーム)の気温は2.8度。その後の2打席が凡打だったことには、触れないでほしい。
●2020年3月5日 DeNA戦 5回に今永昇太からタイムリー二塁打
「打ったのはストレート。練習前にロメロ選手にバッティングを教えてもらいました。『ロメロ打法』ですね。内容は企業秘密です」
普段から「ホームランを増やしたい」とトレーニングを積んでいるだけに、オリックスから新加入のステファン・ロメロのアドバイスは貴重。いつか秘密を教えてください。