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楽天の試合は公式コメントに注目!?
“打撃と言葉の魔術師”島内宏明。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byKyodo News
posted2020/06/18 19:30
DeNAとの練習試合で、先制2ランを放ってナインにエアタッチで迎え入れられる島内宏明。
「正直すぎます」編
本当は口に出したくてもグッと耐えるのが男。でもそんな常識、通用しないのである。心の叫びをバットに乗せて……。それが島内だ。
●2019年3月17日 中日戦 1回に又吉克樹からタイムリー
「打ったのはストレートです。追い込まれていましたけど食らいつけました。『4番は無理』打法です」
オープン戦から4番を託されながら、シーズン開幕後も「いい加減、勘弁してほしい」と嘆いていた。その結果、4月20日に史上11人目の「全打順本塁打」を達成。
●2019年6月20日 阪神戦 7回に高橋遥人からタイムリー
「打ったのはカットボールです。勝ち越すことができて良かったです。茂木選手が打ち過ぎなので少しひいてます」
1番打者として、1打席目から4打席連続安打と打ちまくる茂木に負けじと初安打を放ち、安堵する2番打者。この頃には苦手の4番から解放されていた。
●2019年6月21日 DeNA戦 6回に今永昇太から本塁打
「打ったのはカットボールだと思います。ホームランはたまたまです。目をつぶって振ったら当たりました」
0-2のビハインドから追撃の一発。実際に「最後までボールが見えているわけではない」と打者たちは言うが、さすがにここまで正直には答えない。
●2019年8月6日 西武戦 4回に佐野泰雄からタイムリー二塁打
「打ったのはカーブ。いつもは打てないんですけどね。今日は打ったから疲れちゃいました」
右足を上げる打撃フォームに変え2安打と、不振から脱出した。8月は球団最多記録を更新する月間38安打を記録。さらなる“打ち疲れ”を予感させる1本だった。
●2019年9月18日 ソフトバンク戦 6回に嘉弥真新也からタイムリー
「打ったのはスライダー。嘉弥真さんが出てきたので代えられると思ったんですけどね。代えられなかったので、いいところを見せられて良かったです」
左打者の自分に対し、相手が左のサイドスローであることから苦手意識があったのかもしれないが、19年はこの試合まで1打席しか対戦がなかった(結果は三振)。
●2020年6月2日 DeNA戦 2回に浜口遥大からタイムリー
「打ったのはチェンジアップ。久々に打順が下位なので気楽にいけました。シーズン中も下位でお願いします」
練習試合初戦に7番打者で出場。試合ではこの一打を含む2安打1打点。好調は下位打順だと言わんばかりに三木肇新監督に間接的進言をする、クレバーなプロ9年目の主力。