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板倉滉は全てをポジティブに変える。
「律が行って、次はオレの番だぞ」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byAFLO
posted2020/06/10 07:00
マンチェスター・シティからのローンでフローニンゲンに所属する板倉滉。ここに長く留まるつもりは毛頭ない。
「毎試合が就職活動くらいの気持ちで」
――優勝というのは、統一意識としてあるのですか?
「それは間違いなくみんな思ってると思います。優勝しかないですよね、さすがに。3位とか2位とかとっても、ちょっとアレなので。日本でのオリンピックで優勝して、日本がどんな感じになるのかをみたいです」
――サッカーは盛り上がりますしね。
「そうですね。毎回見てる人は多いと思うし、サッカーが金メダル取るっていうのはまた違った盛り上がりが出てくると思うので、金メダルとったときの景色を見てみたいです。それがすごく楽しみです」
――昨年はA代表にも招集され始めましたが、今年3月、6月の代表戦も合わせてなくなりましたね。
「移籍したい、フローニンゲンより上にいきたいという気持ちはめちゃめちゃあるんです。だから、オランダの残りリーグ戦8試合もそうだし代表戦もなくなったというのは、自分の中で移籍のことだけを考えたら痛かったなという気持ちはありますね」
――アピールのチャンスでしたものね。
「フローニンゲンでスタメンとって満足はしてないですし、もう今いるチームよりさらに上いきたい。できるなら、毎年毎年いきたい。そういった意味で最後アピールできる8試合がなくなっちゃったっていうのはちょっと自分にとっては痛かったなというのはありつつ、それもなるようになると思ってるし、それで決まったことが自分にとって良かったこと、って思うようにしています。
この夏移籍はどうなるか、とにかくいつでも準備しておくというのが大事だと思ってます。理想は今よりもステップアップしたチームで頑張ってスタメンをとるのが理想ですけど、フローニンゲンに残る可能性もあるし、移籍する可能性もあるし。今は待つしかできないので、なるべくコンディションキープしつつ、準備はしておきたいなと思います」
――去年は、堂安律選手がPSVにステップアップするのを間近で見ましたね。
「律もそうだし、フローニンゲンの他の選手もそうだけど他にも何人かステップアップしてる選手をみてるので、ここで頑張って結果残したらいけるんだぞと感じています。律の活躍は間近で見ていたけど、PSVにいったというのは律自身が勝ち取ったもの。もちろん律がいって、次はオレの番だぞという気持ちもありつつ、うまく決まればいいとも思うし、決まらなくてもまたチャンスは転がってる。
こっちにいると、いつ見られてるかわからないんですよね。そういった意味ではこっちにきておもしろいなというか、日本の時とはちがうというか。いろんな国のいろんな人が見ているんだなと。毎試合が就職活動というか、本当にそのくらいの気持ちでやってます」