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板倉滉は全てをポジティブに変える。
「律が行って、次はオレの番だぞ」 

text by

了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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posted2020/06/10 07:00

板倉滉は全てをポジティブに変える。「律が行って、次はオレの番だぞ」<Number Web> photograph by AFLO

マンチェスター・シティからのローンでフローニンゲンに所属する板倉滉。ここに長く留まるつもりは毛頭ない。

五輪延期も「しょうがない、なるようになる」。

――でもそうやって、試合に出られなかった時期を乗り越えたのですね。

「今思えばあの期間も自分にとってはよかった。もちろん試合出るのがベストだけど、試合に出られない期間にどれだけ“やれるか”も大事だと思うし。性格的にもあまり落ち込むことはなくて、どこかポジティブだし、悔しさは反骨心とかそういう気持ちになってくので。

 絶対自分のほうが(試合に出てる選手よりも)良いと思ってたし。自信もあったのでそこまで慌てず準備できてたのかなと思います」

――リーグ戦が中断に入ったあと、東京五輪の延期も決まりました。

「やりたかったですけど、延期って決まってしまったものはしょうがないし。モチベーションを保つのは難しいですけど、そこまで考えて生活してないという。しょうがない、なるようになると思っていましね」

――男子サッカーの場合、年齢制限が変更されるかが話題になりました。

「それは気になりました。延期になったのはしょうがないと思ってましたけど、五輪をモチベーションにしてここまで頑張って来たのはあるので、頼むから24歳までにしてくれ、という気持ちはありました(東京五輪出場選手は1997年1月1日以降生まれで変わらず)。でもまあ、それもなるようになるだろうなと思って」

――自分で決められることでもないですしね。

「そうなんですよ。自分がどうこうしても、仕方がないので。大人しく発表を待とうと思いました。1年間しっかり準備できる期間が増えたわけだし、選手として大きくなって五輪迎えられたらなと」

――とはいえ五輪代表チームとしてはあまり時間が取れず結果も出ていませんでした。

「僕的には去年コロンビアに負けたりとか、今年のタイ遠征もよくなかったけど全く心配してなかったんです。オリンピック前にそういう経験ができて、逆にこのままじゃなダメなんだぞっていう、気持ちをみんなが持てたと思うんです。それは本番に向けてはプラスになると思ってた。

 自分自身も危機感というか、このままじゃ優勝できないと思ってたら延期になったので、今年じゃなかったんだな、もう一回しっかり準備しろってことだったんだなと思いました。もちろん海外組も多いし、今はコロナのこともあって集まれないですけど、個人個人が成長するしか優勝に近づく道はない。今は個人個人が成長することだけにフォーカスして、でまた集まった時にチームとして成長できてればいいですね」

【次ページ】 「毎試合が就職活動くらいの気持ちで」

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