國學院にはプロ志望がもう2人。

　國學院大には、小川選手のほかに、上出拓真（投手・183cm83kg・右投右打・札幌一高）と中山遥斗（二塁手・173cm74kg・右投右打・大阪桐蔭高）の2選手が現状プロ志望としている。

「上出は思いきってテークバックを変えました。ちょっとかついで投げる感じだったのを、一度右手を下に下ろして、そこからスッと高さをとる。このスタイルにして140キロ後半にスピードアップ。中山のほうも振れる魅力があるって、小川以上の評価をしてくださる球団もあるぐらいで」

　せめて“秋”だけはなんとか……そんな祈りにも近い願いが、どの指導者の言葉の端々にも込められている。

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横浜商科大のエース、藤村哲之。

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「藤村もそうですよ。あの合宿で、このままじゃダメだってわかったって言ってますし、同時に、絶対プロで働いてやる！ ってスイッチが入ったんです」  

　國學院大・小川龍成が「バッティング革命」にチャレンジするきっかけとなった学生ジャパン候補合宿で、やはり自らを奮い立たせてレベルアップにつなげたのが、横浜商科大の左腕・藤村哲之投手（180cm85kg・左投左打・愛工大名電高）だ。

　昨年3月に勇退した佐々木正雄監督に代わって2年目の指揮を執る井樋秀則監督は、すでに全幅の信頼を「エース藤村」に寄せている。

「実は、岩貞（祐太、現阪神・2013年1位指名）の時も4年生でジャパンから落ちて、そこから『よーし！』って一気にテンションが上がったんです。藤村も松山合宿から戻って、その後の冬の練習は、そりゃあ追い込んだ内容で自分をいじめてました。

　彼のいい所は、まずチームを勝てるチームにしたい、チームを勝たせる投手にならないとプロはない、それがエースだって、そこがモチベーションになっている。ウチにも飯田（琉斗、3年・186cm86kg・右投右打・向上高）をはじめとして、伸び盛りの投手たちがいるんですが、みんな、藤村に引っ張られるように、この冬の練習でグンと伸びましたね。

　1人で黙々と努力することにかけては全く心配してないんですが、欲をいえば、投手陣のリーダーとして『オレについてこい！』って、言葉でも引っ張れるようになったら、ヤツのピッチングの幅ももっと広がるんじゃないかなって楽しみにしてるんですけどね」

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