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Bリーグ川崎・篠山竜青が寄付活動。
プロ選手は常にカッコよくあれ!
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph bykawasaki bravethunders
posted2020/04/25 11:50
昨年負った怪我から復帰し、さあこれから! という時にリーグが中断され、その後中止に。篠山竜青の挑戦は続く。
東京五輪まで離れていったが……。
篠山は昨年末の試合で負傷し、ようやく復帰した矢先にリーグ戦が終わってしまった。キャプテンとして率いるチームは中地区首位を独走していたが、初の年間優勝への道は無情にも閉ざされてしまった。
そして、日本代表の主力として出場すると目されていた東京オリンピックまで、延期になってしまった。
肩を落とし、不運を嘆いたとしても、おかしくはない。
だが、篠山は胸を張り、「困っている人を助けよう」と真っ先に声をあげた。精いっぱいカッコつけた――。
試合が無くても多くの人が選手活動を見ている!
実は、「プロスポーツ選手の社会貢献」は、筆者にとってもやもやとしたテーマだった。欧米との比較論では、日本のそうした動きはまだ活発ではない。一方で、あくまで自発的なものであり、部外者が「こうあるべき」と語るのも違和感がある。触れにくいテーマだった。
そのもやもやを、篠山の言葉はひと吹きに消し去ってくれた。これだけは、はっきりと書ける。
プロスポーツ選手たち、何が何でもカッコつけてほしい。
彼ら自身も不安はあるだろうし、全員でなくていい。でも、ちょっと見栄を張ってでも、カッコつけてほしいと思う。
試合に駆けつけた大観衆の前でプレーするときと同じように、試合ができないいまも、カッコいいところを見せてほしい。
目の前に姿は見えなくても、大観衆はいる。たくさんの視線が注がれている。
篠山の言うとおり、その“カッコつけ”は誰の損にもならない。いや、それ自体がきっと、最高の社会貢献だ。