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医療組織に経営マンション50軒開放。
困難の英国をプレミア選手が手助け。

posted2020/04/07 07:00

 
医療組織に経営マンション50軒開放。困難の英国をプレミア選手が手助け。<Number Web> photograph by Getty Images

子供たちに食事を届けるための寄付を行なったラッシュフォード。こういった働きかけが今、サッカー選手がすべきことだ。

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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 自宅の窓から見えるウェンブリー・アーチが、緑・白・赤の三色に点灯したのは3月27日の夜8時。名物のアーチを頭上に頂くウェンブリー・スタジアムで、イタリアとの国際親善試合がキックオフを迎えるはずの時刻だった。

「トリコローレ」の照明は、新型コロナウイルスとの戦いで苦しい状況にあるアウェイチームへのエールである。翌朝の新聞を見てみると、イングランドのホーム正面入り口のLEDビジョンには「一緒に、思いはひとつ、力を合わせて」というメッセージも表示されていた。

 この助け合いの精神は、イングランドのサッカー界が国内に向けても率先して示すべきものだ。ここ「サッカーの母国」でも、サッカーのない日々が始まって2週間以上が経過しているが、それでもなお、いや、だからこそ余計に「サッカー好きの国」なのだと実感させられる。

 国内紙では、さすがにスポーツ面のページ数が平常時より減っているが、サッカー関連に最も多く紙面が割かれている。大衆紙『サン』には、ノルベルト・ソラーノが祖国ペルーで夜間外出禁止令に背いた疑いで取り調べを受けたとの記事が。計7クラブに所属したイングランドを離れて8年が過ぎ、最も活躍したニューカッスルへ移籍してきたのが22年前でも、「おっ!」と思ってしまうのがイングランド庶民なのだ。

テレビではあの名勝負の数々。

 テレビでも試合がなくなって2度目の週末にはBBCの名物番組『マッチ・オブ・ザ・デー』が土曜夜に戻ってきた。

 同局のポッドキャスト用に収録されていたガリー・リネカー、アラン・シアラー、イアン・ライトによる「歴代ベスト10談義」を映像付きでテレビ放映したところ、初回のキャプテン編が視聴者数200万人超と好評だった。4月からは、解説陣が選んだ名勝負をハイライト映像で振り返る『マッチ・オブ・ゼア・デー』の放送も決まった。

 民放局のITVでは「フットボールが帰ってくる」と歌われるテーマソングに乗って、母国開催での準決勝進出に沸いたEURO1996の全31試合が、5月に再放送される。

 またプレミアリーグ戦を中継するスカイ・スポーツでは、1時間以上も両軍の無得点が続いた往年のアーセナル対マンチェスター・ユナイテッド戦を再放送。「本でも読んでおけばよかった」と後悔しつつもフルタイム観戦をメールにて告白してきたのは、チェルシーファンの友人だった。

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