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アマ球界の王道投手を変えたSNS。
ダル、お股ニキとの出会いと起業。
text by
清水岳志Takeshi Shimizu
photograph byTakeshi Shimizu
posted2020/03/15 20:00
自ら率先してコーチングする内田聖人。アマ球界の王道を歩んだ選手が新たな取り組みをしている。
立場として難しいところもあるが。
内田はプロ、社会人投手に冬の自主トレ期間中、個人的なコーチングを行った。プロの投手であってもスピードを上げるためにどうやってトレ―ニングをしていけばいいか、悩ましいもの。取り組んでいるトレーニングは正しいのか。選手として生死に関わる問題だ。彼らはそのアドバイスを内田に求めたのだ。
立場として、難しいところもある。彼らは球団所属であって、チームとしての方針もある。個人的に関わることがどこまで可能なのか。
「自分は仕事としてやっていくと決めたんで、お金が発生する。プロとの契約をどう、結んでいくか、ということですね。自分は良くする自信があるんですが……」
大学や社会人が狙いどころではある。大企業の社会人選手を見て、そこから少年野球に広がれば若年層には安価で指導できるかもしれない。
「ほんとにやりたいことだった」
スタートの位置に着いた。一番、しっくりきたという「ストラテジスト」を池田氏に倣って名乗る。
目標はアメリカのトレーニング施設。
さらに壮大な夢がある。目標はアメリカのシアトルにある『ドライブライン』だ。『ドライブライン』とは様々なアプローチでデータを収集、分析して球速アップや最適なフォーム作りをしてメジャー球団から注目されているトレーニング施設だ。ソフトバンク、千葉ロッテなども連係している。サロンの4人を含め知り合った人たちとそんな組織を作りたいのだ。
「今はアメリカに行って指導を受ける時代ですが、将来はアメリカから日本に教えを請いに来るようになれば」
内田には投げられるようになった自負がある。
「まだ、僕自身、150キロが出る可能性もあるんです。クラブチームでプレーして、社会人の補強選手になって都市対抗で活躍したらドラフトで指名してくれる球団もあるかもしれません。その時は現役も考えます(笑)。だから、引退ということは言ってないんですけどね」
語気が強まった。
「結果は目に見えて、出てるので」
使命感に気づいた人間はやっぱり前しか見ていない。