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無敵リバプール攻略法を編み出せ。
ペップはSB封じ、シメオネは……。
posted2020/03/11 11:30
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Getty Images
リバプールの連勝が止まった。
しかもプレミアリーグ降格圏に沈んでいたワトフォードに、0-3での完敗。これまで見せていた快進撃からすると、驚きだっただろう。
積年のファンの中には「リバプールというクラブが、こんなにうまくいくはずはない」とある程度予測した者もいるかもしれないが、今季は違った。圧巻の強さをみせていたチームは現地メディアで、2003-04シーズンに無敗優勝を成し遂げた“インビンシブルズ(無敵の意味)”アーセナルと度々比較されるほど、何かをやってくれそうな雰囲気が漂っていた。
それにこの試合はプレミアリーグ新記録となる19連勝がかかっていた。新たな記録を樹立し、そしてどこまでこれを伸ばしてくれるのだろうという期待感は、残留争いに苦しむチームを前に儚くも散ってしまった。
アトレティコにも敗戦していた。
そもそもこの敗戦自体に、予兆がなかったわけではない。
ワトフォード戦の前節、ウェストハム戦は勝利したものの、一度逆転を許すという苦しい展開に持ち込まれている。その6日前に行われたUCLラウンド16、アトレティコ戦では相手の牙城を崩すことができず、0-1の敗戦を喫した。この試合では枠内シュート「0」という数字も残しており、リバプールにとってはショッキングな事実だったに違いない。
今やリバプールの倒し方は、欧州中の指揮官たちが模索している。
前線からの強度の高いプレッシングに、ボールを奪ってから最短距離でゴールにたどり着くカウンター。さらには緩急をつけたポゼッションサッカーなど、状況に応じて多様なスタイルを使い分けるリバプールに対し、ついにディエゴ・シメオネが攻略法を見出した感がある。
これまでリバプールと戦ったクラブは、如何にしてこのクラブを止めようとしたのか。今季、彼らを苦しめた5クラブの対戦を振り返る。