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無敵リバプール攻略法を編み出せ。
ペップはSB封じ、シメオネは……。
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2020/03/11 11:30
CL決勝トーナメント1回戦第1レグでリバプールを完封したアトレティコ。敵地での再現を狙う。
結局は「守備最優先」が一番の近道。
このスタイルはクリスタルパレスやウルブスにも通じるところではあるが、結局は守備を最優先に考えることが攻略への一番の近道なのである。ペップ・シティですら敵わなかった今のリバプールを相手に、ましてや中堅クラブなどが、真正面からの殴り合いなど通じないことはもはや当たり前なのだ。
強豪のアトレティコだけでなく、プレミアリーグで残留争いを演じるワトフォードがみせた「守備に徹する」戦い方――リバプール撃破を目論むクラブにとって、現時点で最良のモデルケースではないだろうか。
それはリバプールがボールを奪うだけでなく、ボールを握っても高いクオリティを発揮しているからこそである。
アトレティコにとって最大の関門。
ワトフォードに敗れたとて、今季のプレミアリーグはほぼリバプールの手にあるといっても過言ではない。それでもCL、EL出場権、そして残留を争うクラブにとって、首位のクラブを破ることは良いモチベーションになるはずだ。
またホームで勝ったとはいえ、アトレティコにもまだ関門が残されている。敵地で行われるCLラウンド16のセカンドレグだ。舞台はリバプールがプレミアリーグで55戦無敗、CLでも2017-18シーズンから負け知らずのアンフィールド。ファーストレグではサポーターの大声援を背に守り切ってみせたが、雰囲気はガラリと変わる。
難攻不落の要塞でも、アトレティコは「守備に徹する」サッカーでリードを守り抜くことができるのか。
無敵と思われていたリバプール攻略の手がかりを見出したアトレティコとワトフォード。彼らのサッカーを教材にしたり、グアルディオラのシティのように果敢な戦い方を突き詰めるなど、新たな対策を練り上げてくるチームが出てきてもおかしくはない。
正念場を迎えているリバプールだが、この難関を乗り越えることができれば――彼らは「真の最強クラブ」へと更なる進化を遂げることができるはずだ。