欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
無敵リバプール攻略法を編み出せ。
ペップはSB封じ、シメオネは……。
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2020/03/11 11:30
CL決勝トーナメント1回戦第1レグでリバプールを完封したアトレティコ。敵地での再現を狙う。
ホジソンは超守備的にいきつつ。
両サイドバックの裏のスペースは、リバプール攻略の上で非常に肝となる。
この弱点を突いたのが、ロイ・ホジソンのクリスタルパレスだ。
かつてリバプールの監督も務めたことのあるホジソンは今季、とりわけ「ビッグ6」相手には、非常に守備的な戦術を用いている。
シティ戦の翌節、クリスタルパレスと対戦したリバプールは、前節とは対照的にFWの選手も引いて守る相手に苦しむ。
クリスタルパレスの布陣は中盤の3人をフラットに並べる4-5-1で、この3枚を中心に自陣ペナルティエリア付近に人数をかけてレッズに対抗した。
リバプールはこの強固な守備ブロックをなかなか崩せず、自然と重心も前がかりになった。マネが先制点こそ奪ったものの、試合を決めようと2点目を取りに行った終盤、逆にカウンターを食らって失点してしまう。
サイドでカウンターの起点となり、かつ最後を仕留めたのは、スピードに定評のあるウィルフレッド・ザハだ。アレクサンダー=アーノルドはボールロスト後にすぐプレスをかけるも、この韋駄天を止めることはできなかった。
カウンターで苦しめても最後は……。
似たような形で失点を喫したのが、第24節のウォルバーハンプトン戦である。
1点リードで迎えた51分、ロバートソンの左サイドがカウンターの餌食となる。こちらも快速で今季のプレミアリーグを席巻しているアダマ・トラオレに突破を許し、クロスからラウール・ヒメネスのヘディングで簡単に失点。この時もまた、リードを広げる2点目がなかなか入らず、チームとして攻めあぐねている最中のことだった。
いずれの試合も最後は力ずくで決勝点を奪い勝利したため、地力の差と言ってしまえばそれまでではあるが、失点シーンはホジソンと、ウルブスのヌーノ・サントの術中にはまった形だった。
カウンター戦法でリバプールを苦しめたチームはいくつかあった。しかし結局はリバプールの攻撃力に耐え切ることができなかった。
そう考えると一番重要なのは、とにかく失点をしないこと。いかに強固な守備ブロックを作るか、ということだ。これに徹した戦いを見せたのが、冒頭でも述べたシメオネのアトレティコだった。