プロ野球亭日乗BACK NUMBER
バースにブーマー、タフィ・ローズ。
外国人も野球殿堂に入る投票方法を。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/01/17 19:00
2001年、近鉄対ヤクルトの日本シリーズ第2戦、8回裏に勝ち越し3ランを放ちスタンドを指さすローズ。史上最強クラスの助っ人だった。
15年以上の経験のある記者投票で決まる。
特集ではローズさんが王さんの記録に並ぶ55本塁打を放ったときには、シーズン終盤に打席で勝負をしてもらえなかったことなども説明。
「ローズの通算成績は日本の殿堂入りの有力な候補。しかし4年間の投票では選出にほど遠い票数しか得られなかった。ローズにはサポートがない」と指摘している。
野球殿堂の競技者表彰プレーヤーズ部門は15年以上の経験のある記者投票で行われ、総投票数の75%以上を獲得することが条件だ。
ローズさんが初めて候補入りしたのは'15年で、その時の得票数は85票。その後は96票(得票率28.5%)、122票(36.6%)、84票(22.8%)、110票(29.6%)と推移し、今年は102票で有効投票数(354票)の75%(266票)には遠く及ばず落選となった。
三冠王の2人も殿堂入りしていない。
この事実に海の向こうからオブジェクションが届いた訳だが、その背景には日本の野球殿堂が外国人選手に高い壁を築いているように見えることがあるだろう。
過去に殿堂入りした外国人選手は元巨人のビクトル・スタルヒンさんと元中日の与那嶺要さんの2人だけ。NBCスポーツの特集でも、「外国人というステイタスに問題があるのでは」と多くの人が考えていると指摘している。
実は筆者もこのコラムで過去に何度か、その点を指摘した記事を書いている。
例えば共に三冠王を獲得している元阪神のランディ・バースさんと元阪急のブーマー・ウエルズさんが、いまだに殿堂入りしていないことへの違和感である。
'83年から阪神でプレーしたバースさんは'85、'86年と2年連続で三冠王を獲得するなど実働6年で通算打率3割3分7厘、202本塁打、486打点を記録。
'86年に記録した打率3割8分9厘は、いまだに破られることのないシーズン最高打率の日本記録でもある。