プロ野球亭日乗BACK NUMBER
バースにブーマー、タフィ・ローズ。
外国人も野球殿堂に入る投票方法を。
posted2020/01/17 19:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
海の向こうからのオブジェクションだった。
「タフィ・ローズが彼に相応しい敬意を得られていないことを知るのは残念なことだ」――ツイッターでこう呟いたのは、米国のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチックス」のトレント・ローズクランズ記者だった。
ローズさんは1996年に近鉄に入団。2001年には王貞治さん(現ソフトバンク球団会長)の持つ当時のシーズン最多本塁打記録に並ぶ55本塁打を放った。
'04年に巨人に移籍すると1年目に45ホーマーで両リーグでの本塁打王を獲得。2年で巨人を退団したが、その後もオリックスでプレーし、NPB通算13年で打率2割8分6厘、464本塁打、1269打点をマーク。
通算本塁打数は来日した外国人選手では1位で、歴代でも13位。打点も外国人選手で2位、歴代21位とトップクラスの実績を残した選手だった。
米テレビ局サイトも特集を組む。
そのローズさんが「相応しい敬意を得られていない」とローズクランズ記者が異議を申し立てたのは、1月14日に発表された2020年の野球殿堂入りの発表を受けてだった。
今年、新たに殿堂入りを果たしたのは競技者表彰のエキスパート部門で阪神、西武で歴代11位の474本塁打を放った田淵幸一さん、特別表彰で元慶大監督の故前田祐吉さんと元早大監督の故石井連蔵さんの3人。その中にローズさんの名前がないことに異議申し立てをしたわけである。
米国でローズさんが殿堂入りできなかったことに疑問を投げかけたのは、同記者だけではなかった。
「タフィ・ローズと日本の殿堂」という特集を昨年組んだのは米テレビ局「NBCスポーツ」のウェブサイトだった。