プロ野球亭日乗BACK NUMBER
打てる捕手、阿部慎之助の後継者に。
原監督が期待する大城卓三のノルマ。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/01/03 20:00
右投げ左打ちの大城。「打てる捕手」阿部慎之助の後継者としての期待がかかる。今季から背番号は「24」に。
「打てる捕手」として阿部慎之助の後継者に。
「驚きはしないね」
この話を聞いて原監督はこう語っている。
「ちょっとしたきっかけをつかんだらホームランを20本から30本打ってもおかしくないポテンシャルを持っている。
ただ性格的なこともあるんだろうけど、何かのんびりしていて、まだまだ『オレがやってやる』という前に出る意識が少ないようにも感じる。そこが彼のもうひとつ、物足りないところなんだよね」
だから「背番号10をつけるか?」と唐突に提案し、最後は24番をつけさせた。
背景にはそういうノンビリした大城の精神面に刺激を与えたいという監督の思惑があったのである。いやが応でも目立つポジションに立たせて、主力選手の自覚を持たせるということだ。
もちろん最終目標は「打てる捕手」として阿部慎之助の後継者へと育てることである。
ライバル・小林との熾烈な競争を。
「一塁で使うか、キャッチャーで使うかは我々が判断する。本人にはキャッチャー1本で勝負してレギュラーになって欲しい」
だからこの春のキャンプから大城には捕手専任で、ライバル・小林誠司捕手との熾烈な競争を求めることになる。
ただ、捕手力ではまだまだ1歩も2歩も、小林から遅れをとっている。
リードについては原監督も「教科書にない味のあるリードをみせる」と評価するが、課題は盗塁阻止率ということになる。
2019年の小林の阻止率は4割1分9厘(企画数31で阻止数13)と4年連続でリーグトップの、高い数字を叩き出した。一方、大城はといえば阻止率1割7分2厘(企画数29で阻止数5)。小林にはるかに劣る数字しか残せていないのが現状なのだ。