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打てる捕手、阿部慎之助の後継者に。
原監督が期待する大城卓三のノルマ。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2020/01/03 20:00

打てる捕手、阿部慎之助の後継者に。原監督が期待する大城卓三のノルマ。<Number Web> photograph by KYODO

右投げ左打ちの大城。「打てる捕手」阿部慎之助の後継者としての期待がかかる。今季から背番号は「24」に。

肩の強さではそれほど見劣らないが……。

 ただ二塁送球タイムは小林の1.78秒に対して大城も1.80秒。肩の強さではそれほど見劣りはしていない。それなのに2人の阻止率にこれだけ大きな開きがあるのは、送球の正確性に負うところが大きい。

 小林はカバーに入った野手がタッチをしやすい範囲に低く強い球を投げられる。それに対して大城の送球は、ボールが抜けて高く逸れたり、三塁方向に引っかかるケースが目立つのだ。

 特に二塁送球では走ってくる走者に向かって一塁寄りに変化していくシュート回転の送球が求められる。ところが大城は得てして、逆にスライダー回転のボールを投げることが多いのも弱点と言われている。

2割8分、15本塁打と盗塁阻止率3割以上がノルマ。

 1年目の2018年から小林に代わって先発捕手に抜擢される場面もあった。ところが大城と組んだ菅野智之投手と山口俊投手の両エースが、その後に小林と組みたいと直訴したことがある。

 力のあるボールで打者をねじ伏せられる2人にとってはリード云々ではない。走者を出しても、自分がクイックさえしっかりすれば盗塁を阻止してくれる、あるいはランナーに走ることを躊躇わせる小林の肩こそ一番求めるものなのである。

 際どいコースをストライクに判定させるフレーミング技術の高さとその盗塁阻止への信頼こそ、小林が正捕手のポジションを守っている一番の理由なのである。

 だとすればスローイングの正確性とキャッチングを磨いて投手の信頼を勝ち取ることが、今季の大城の最大の課題となる。小林を超えることはなかなか難しいにしても、阻止率を3割台まで上げられれば、何より大城にはバットという武器があるはずだ。

「結局は打つか打たないか。守りの要と言われても守備だけでレギュラーをとった捕手はいない。いくらリードが良くても、打てる捕手がいればそっちが使われるんです」

 打てて守れて殺せたヤクルト出身の名捕手・古田敦也さんも、実は打てたことこそがレギュラー獲りの最大の武器だったと語っている。

 2割8分、15本塁打と盗塁阻止率3割以上をノルマに、大城の正妻獲りが始まる。

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