原監督「岡本のライバルになり得る」

　何れにしてもこのシャッフルで原監督が大城にかける期待の大きさが、改めてクローズアップされるものとなった訳である。

「岡本のライバルになり得る潜在能力を秘めた選手。お互いに切磋琢磨して力を出し合っていくような関係になってくれるのが理想だね」

　2019年のシーズン中から原監督は大城の打撃センスを高く評価していた。

　2年目の昨季は5番を任されるケースもあったものの、結果的には打率2割6分5厘で6本塁打、30打点が最終成績。長打率も3割8分8厘と、その才能からすると期待通りのブレークとはいえないままに終わった。

　ただ、それでも改めて大城の能力の高さを示したのが、秋季キャンプでのある出来事だったという。

　第1クール最終日のことだった。

　全体練習終了後の特打で大城と岡本和真内野手に若手のホープとの呼び声高い山下航汰外野手が加わり打撃練習を行なった。

「それじゃあ最後に3人でホームラン競争して終わろう」

　特打の最後に阿部二軍監督の提案で、3人が5分間のフリー打撃で本塁打数を競うことになった。

　岡本は64スイングで14本の柵越えを放った。山下は力が入ったのか60スイングで本塁打はわずかに1本。このときは山下が「力の差を痛感しました」と先輩に脱帽したことが話題になったが、関係者の中で注目されたのはもう1つの事実だったのだ。

　大城が放った本塁打は61スイングで17本だった。スイング数は岡本より少ないのに、3本も上回る柵越えを放ったわけだ。

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