プロ野球亭日乗BACK NUMBER
打てる捕手、阿部慎之助の後継者に。
原監督が期待する大城卓三のノルマ。
posted2020/01/03 20:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
2019年も行われた巨人の背番号大シャッフル。
守護神、ルビー・デラロサ投手は「97」から「12」へ、期待の若手では戸郷翔征投手が「68」から「13」に、「12」だった高橋優貴投手は西武・内海哲也投手が巨人時代に左のエースとしてつけていた「26」へと変わった。
野手でも吉川尚輝内野手が「29」に変更になったのに伴い、空き番となった「0」は昨シーズン一軍デビューを果たした増田大輝内野手に与えられ、若林晃弘内野手も「60」から「37」へと“昇格”した。
合わせて13選手の変更は、すべて原辰徳監督がそれぞれに期待と叱咤激励の意味を込めて最終決定したものだ。ところがそんなシャッフルの過程で“ひと悶着”があったのが大城卓三捕手の番号だった。
昨季限りで引退した阿部慎之助二軍監督の背番号が「80」へと変ったことで、注目を集めたのが「10」の行方である。
身体を震わせ、首をブルブル振って固辞。
そこで原監督が冗談めかしこう問いかけたのが、大城だった。
「どうだ? 10番つけてみるか?」
強打の捕手として長きにわたりチームに君臨してきた大先輩の番号を、引退直後にいきなり“提示”されて、焦ったのは大城の方だった。
「固まりやがった。そこから会話が進まなかったよ」
身体を震わせ、首をブルブル振って大城が固辞したことで、このプランは幻に終わったが、そこで改めて監督が大城に与えた番号が「24」だったのである。
巨人の背番号「24」といえば古くは中畑清前DeNA監督が背負い、その後は高橋由伸前監督が現役時代からつけていた番号だ。