後半、修正してきたリバプール。

　手応えはあった。期待が膨らむ。このままいければもしかしたら……。

　しかし、相手はリバプールだ。

　ハーフタイムを終えた後半、アンカーのヘンダーソンが守備時に孤立し、周りのスペースを使われていた点を考慮し、ワイナルドゥムとのダブルボランチに変更。フィルミーノをトップ下、ケイタを右ハーフ、そしてサラーがトップの位置に入る4-2-3-1気味に布陣を変えてきた。

　この布陣変更により4バック前のスペースを使われることが減り、逆にフィルミーノがザルツブルクのバイタルエリアで巧みな位置取りをし始める。はまっていたザルツブルクのプレスは、少しずつ空回りし出した。

　57分、左サイドでボールを受けたマネがザルツブルクDFオンゲネを置き去りにすると、飛び出してきたGKの鼻先でクロスを送る。ゴール前でフリーになっていたケイタがヘディングで流し込み、リバプールが先制に成功した。相手の強さはよくわかっているのだから、失点することもある意味想定内だったはず。だが、心はおいついていなかったのかもしれない。

奥川らを投入も、最後まで届かず。

　落ち着きを取り戻すことができないまま、直後に追加点を許してしまう。ロングボールの処理をオンゲネがミス。飛び出したGKをサラーがかわすとゴールライン際から右足でゴールへと精密なシュートを流し込んだ。痛恨。スタジアムの熱気がふっと抜けていく。南野は、このシーンを振り返る。

「失点しても、1－0で試合を運ばないといけなかった。あの2失点目が痛かった。最初の失点でしっかり食い止めて、もう1度自分たちのペースにもっていかないと。そのあたりの試合運びは、CLを通して見えたチームとしての課題かなと思います」

　2点差でゆとりのできたリバプールは、FWダカ、MF奥川雅也を投入して何とか反撃しようとするザルツブルクの攻撃をいなす。それでもチャンスはあった。74分、南野がダカのクロスをコントロールし、相手を揺さぶってから右足シュート。しかし、ロバートソンがコースに体を入れてブロック。1点が遠い。最後まで届かなかった。

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