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南野拓実「僕はいつも通りです」
CL王者リバプールに敗戦も前向き。 

text by

中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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photograph byGetty Images

posted2019/12/11 20:00

南野拓実「僕はいつも通りです」CL王者リバプールに敗戦も前向き。<Number Web> photograph by Getty Images

昨年のCL王者リバプールに敗れ、グループ敗退となったザルツブルク。それでも南野は確かな成長を実感しているようだった。

「僕はいつも通りです」

 試合後、リバプールのクロップ監督はファンに向けて笑顔でガッツポーズを繰り返した。勝者と敗者。そこにはどんな差があったのだろうか。

「今日の試合だけを見れば相手と大きな差はなかったかな。チャンスの数もあった。でもゴール前でのクオリティの差が違いなのかなとも感じます。残念ですね、非常に」

 南野にとって最初のCL挑戦は終わった。

 南野にとって今季は、いろいろなことが一気に動き出したと言われている。アウェーのリバプール戦で得点をあげ、ブレイクを果たしたとみられた。リバプール、ナポリ、ヘンクとの試合を戦い抜くことで得た経験は、これまでよりも一層価値あるものだったはずだろう。

 ただ、CLがあったから変わったわけではない。南野自身がこれまでやってきたプレーを、CLという舞台でもしっかり発揮できただけである。確信に満ちた顔で、南野は口を開いた。

「絶対にそっちですね。CLがない時期でも、ヨーロッパリーグ(EL)でぎりぎりの試合を重ねてきているし、結果を残してきているという自負があります。ザルツブルクは、ヨーロッパで認められているチームです。僕はいつも通りです」

EL決勝進出は現実的な目標。

 南野はずっと戦い続けている。その努力が嘘をつくはずがない。それだけ自分を信じて、自分を律して、高みを目指して戦い続けてきたからこそ、最高の舞台で輝きを見せたのだ。そして戦いはこれからも続いていく。

 ザルツブルク監督のマーシュは、記者会見でELについてこう語っていた。

「ELはスーパーな大会だ。我々にとって更なる成功を手にする素晴らしい機会だ。今はCLのグループリーグを突破できなくてがっかりしているよ。あとちょっとまで来たんだ。でもELに出ることをがっかりなんかしていない。この大会を優勝することだってできるかもしれない。僕らは素晴らしいチームだ。成長していけばビッグチャンスがあると思う」

 一昨シーズンはELでベスト4、昨シーズンはベスト16。となると、決勝進出は現実的目標といえるだろう。

 いい経験をしたと言えるのは、その経験を生かしてさらなる成果を手にしたときである。新たな目標に向けてザルツブルク、そして、南野はまた走り出す。

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