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高津新監督も期待する即戦力右腕。
ヤクルト2位吉田大喜は何がすごい?
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2019/12/05 08:00
ヤクルト・高津臣吾新監督とがっちり握手するドラフト2位吉田大喜(中央)。ドラ1奥川らと共に大きな期待を背負う。
「どこでもやれる準備は出来ている」
新入団発表会の終了後、各種メディアの囲み取材に応じた吉田は、来春に向けてこんな力強い言葉も残した。
「自分は先発でやって行きたいなと思ってはいるんですけど、球団から『やれ』と言われたらどこでもやれる準備は出来ているので。自分が出来ることをしっかりやりたいと思っています」
1月上旬の新人合同自主トレがプロ野球選手としての本格的なスタート。来季から指揮を執る高津臣吾監督は、彼ら新人達に期待を膨らませる一方で、ピッチャー出身の監督らしく慎重に言葉を選びながら、吉田を含めた4人の投手に向けてこんな言葉を残す。
「即戦力としてピッチャーは指名させてもらったわけですし、そこは期待しています。ただ、これから環境も変わりますし、難しいことも沢山あるでしょうから、そんなに慌てさせて、焦らせて……とはならないように考えています。良い準備が出来たら早い段階で使える選手は使っていきたいと思います」
また、別の質問ではこんな希望も口にした。
「体が健康でしっかり自分のパフォーマンスが出せるように、しかも長く出せるように、そういう選手になってほしいなと思います」
即戦力を期待する一方で、今季最下位に沈んだチームの立て直しを彼ら新人達には押し付けない。無駄に重圧をかけるわけでもなく、選手の将来を長く見据えている。そんな指揮官の姿に、光が差し込んだようにも思えた。