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高津新監督も期待する即戦力右腕。
ヤクルト2位吉田大喜は何がすごい?
posted2019/12/05 08:00
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph by
Kyodo News
補強されたポイントは誰の目から見ても明確だった。
壇上で紹介された6人の顔ぶれを改めて見て、そのように感じる。
2019年12月3日。東京・ヤクルトホール。
「東京ヤクルトスワローズ新入団選手発表会」
抽選で選ばれた500名のファンクラブ会員の前に並んだのは、1位指名から4位指名までを占めた即戦力級の右投手4人と、じっくりと育てていきたい下位指名の高卒内野手2人だった。
中でも一番の注目を集めたのは、今夏の全国高校野球選手権大会を沸かせた奥川恭伸(星稜高)である。
最速で158キロを計測するストレートは、切れもコントロールも抜群。さらにスライダー、フォーク、チェンジアップ、カーブと多彩な変化球を操り、どのボールでも勝負出来る。高校生離れした投球術も魅力であり、いずれはスワローズの、球界を背負って立つ逸材になって行くだろう。
開幕一軍に近いと目される吉田大喜。
奥川の他にも、今年は大卒の即戦力級右腕を3名獲得した。
吉田大喜(日体大)、杉山晃基(創価大)、大西広樹(大商大)の3名である。いずれも大学球界では名が知れた実力派右腕たち。彼らを獲得したことで、奥川の育成を変に焦らせる必要がなくなった。ヤクルトにとっては明るい未来だろう。
そんな3人の大卒右腕の中で、実績的に最も開幕一軍の座に近いと目されるのがドラフト2位の吉田大喜である。
ゆったりとした投球フォームから、伸びのある最速151キロのストレートを投げる。奥川同様に質の高い変化球が豊富で、スライダー、スプリットの他に、カーブは緩いものと、120キロ台のパワーカーブの二種類を使い分ける。起用法でも先発とリリーフ、その両面で考えられるのも強みだ。