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大迫勇也と鎌田大地の言葉に思う、
代表へ行くことのリスクとリターン。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2019/11/23 11:40
森保ジャパンの不動のエースFWである大迫勇也だが、度重なる故障にも見舞われている。代表とクラブの過酷日程との付き合い方は課題だ。
代表には意欲的だが、リスクもある。
11月の代表戦の間、ブレーメンで調整することについて、11月10日のボルシアMG戦後に大迫はこんな風に話している。
「僕にとってはすごくでかいというか、ほんとにそれだけですね。やっと痛みがとれたので、はい。すごくここからもっとコンディションを上げれると思うし楽しみな2週間です。
フル出場は開幕以来? そうですね。状況も状況だった(怪我をしていた)ので。まあ、これからじゃないですか? 2週間あくので、1回疲れをとって、そこからしっかりとトレーニングしたいと思います」
大迫はケルン時代、「呼ばれなければ呼ばれないでこっちで頑張るだけ」とクラブで過ごす時間の大切さに言及してきた。
実際にハリル時代に落選が続き、それがケルンでの定位置確保に繋がった。それでも森保ジャパン立ち上げ時にロシアW杯組がそろって招集されなかった時には「呼ばれればいつでもいきたいもの」と代表への意欲を示している。
この11月はまだまだ調整が必要な時期だと言うことを素直に口にしているのは、すでに3試合に出場していても、まだ実際に調整が必要だということだ。代表に参加することの、身体的なリスクがいかに大きいかを感じさせる。
鎌田大地も感じる現実の厳しさ。
国内リーグとカップ戦、そしてELを戦う多忙なフランクフルトでプレーする鎌田大地も、同様にコンディション調整の難しさに触れている。
これは11月7日、ELでリエージュに敗れた直後の発言だ。11月ラウンドでは予選のキルギス戦だけの招集で、大阪で行われるベネズエラ戦に参加できないことを、G大阪アカデミー出身の鎌田は残念に思っていた。
「(ベネズエラ戦は)大阪のスタジアムで自分が育った街だったので、まあやりたい気持ちもありました」
だが、1試合でフランクフルトに戻れることに安堵のようなものも示した。
10月ラウンド直前のブレーメン戦では鎌田は先発し84分まで出場、チームも鎌田自身も「悪くなかった」だが、代表で2試合を終えて帰ってきた直後のレバークーゼン戦はベンチを温めるに止まった。「こういうスケジュールを若いうちに経験できるのは貴重」としながらも、現実の厳しさを口にする。
「やっぱり代表行くというのもね、僕たちにはリスクがあること。ポジション争いも、こっちはこっちで大変なので、今回は早く帰って来られるのでコンディションも整えられますし、まずは(11月10日の)フライブルク戦で頑張って、そこ集中してね、またコンディション整えてまた次に臨まないとダメだなと思います」