ぶら野球BACK NUMBER
巨人ファンの日本シリーズ福岡遠征。
ボロクソにやられても、次は必ず。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byYasutaka Nakamizo
posted2019/11/01 11:30
今年もセ・リーグにとって絶望の地となったヤフオクドーム。ちなみに来季からはペイペイドームになるそう。
福岡では日本シリーズは日常だった。
あれはまだ会社勤めしながら死亡遊戯ブログを始めたばかりの頃だったなとノスタルジーに浸りつつ、10月19日午後3時過ぎ朝飯が美味いと噂の天神のビジネスホテルにチェックインして、さっそく街に出る。
地下鉄空港線で球場最寄りの「唐人町」までたったの5分だ。そう福岡が観光地としてぶっちぎりに優れてるのは、中心地のアクセスの良さである。福岡空港から博多までもわずか2駅。コンパクトにまとまっていて、移動のストレスがほとんどない。
もちろん食事のクオリティも文句なしだ。iPhoneから流れる九州出身の長渕剛が歌う『とんぼ』が骨身に沁みた(意味不明)。
まず意外なのが、街も地下鉄車内も球場までの道のりもまったくもって「普通」の雰囲気だった。
広島や横浜と比較するとユニフォーム姿のファンも異様に少ない。半端ない日本シリーズの日常感。この10年間で7度目、3年連続の出場。そりゃあこれだけ出まくっていたら慣れてくるだろう。
「余り券買うよー余り券買うよー」なんつって都内じゃ絶滅したダフ屋のおっちゃんも風景にナチュラルに同化している。球場で弁当を食べながら隣のホークスファンの佐賀イケメン&博多美人のカップルに聞いた話によると、「言われてみたら、ホークスファンはユニフォームを球場で着替えて脱いで帰る人が多いかも」とのことだった。
電源やUSBコンセントまである!
決戦を前に選んだ鷹弁『ギータの焼き魚好きっス弁当』(1300円)は、甘塩シャケ、サバの照焼、秋刀魚の一夜干しといった焼き魚に加え、広島出身の柳田らしく、がんす(魚のすり身フライ)やもみじまんじゅうも入っている。脂っこい揚げ物が多い球場弁当では身体にやさしい仕様だ。
この弁当は通路サイドに備え付けのテーブルで食べた。球場の座席はどうしても狭いし、ゴミも邪魔になる。
それがヤフオクドームの場合は通路テーブルにスクリーンだけじゃなく電源やUSBコンセントも完備しているので、食べながらスマホの充電までできてしまう。嬉しいサービスである。