ぶら野球BACK NUMBER
巨人ファンの日本シリーズ福岡遠征。
ボロクソにやられても、次は必ず。
posted2019/11/01 11:30
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph by
Yasutaka Nakamizo
野球ファンにとって、一番幸せな旅とはなんだろうか?
それは「贔屓チームの日本シリーズ観戦旅行」だと思う。ぶらり野球を見て、現地の美味い飯を腹一杯食べる。シンプルだがこの連載の原点を思い出させてくれるような野球旅。連載3年目で、ついに巨人が日本シリーズへ進出することになった。
しかし、戦前に東京と所沢の往復なら原稿も普段通り書けるなと仕事を入れていたら、CSでパ覇者の西武がソフトバンクに敗れ、シリーズは2000年ON対決以来の東京と福岡に。
恥ずかしながら、飛行機が苦手なので新幹線で博多入りすると都内からは片道5時間の旅路だ。今季67試合登板とフル回転した左のリリーバー中川皓太の疲れを思えばそのくらいどうってことはないぜ、なんつって強引に己に言い聞かせ家を出る。いくばい打倒ソフトバンク!
……ってすいません、これを書いている自分も読んでいるあなたもすでに「ソフトバンク4連勝」という残酷な結末を知っているので、さすがにこのテンションでコラムを進めるのは無理がある。
秒殺で断られるのを分かってるプロポーズ大作戦みたいな切なさがあるので、冷静に福岡の雰囲気を振り返りながら書いていこうと思います。
ヤフオク!ドームは実は8年ぶり。
ちなみにヤフオク!ドームに行くのは2011年夏以来8年ぶり。当時日本ハムのダルビッシュ有のメジャー移籍が秒読み段階で、野球好きの同僚と日本でプレーしているうちに見に行こうと、ローテーションを読みつつ福岡へ向かったのだった。
全盛期のダルは圧倒的だったし、夜は中洲のキャバクラで「ホークスの選手は誰が好きと?」なんて誰も得しない無謀なヒアリング調査を敢行したのもいい思い出だ(結果はムネリンこと川崎宗則がぶっちぎり1位)。