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巨人ファンの日本シリーズ福岡遠征。
ボロクソにやられても、次は必ず。 

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中溝康隆

中溝康隆Yasutaka Nakamizo

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photograph byYasutaka Nakamizo

posted2019/11/01 11:30

巨人ファンの日本シリーズ福岡遠征。ボロクソにやられても、次は必ず。<Number Web> photograph by Yasutaka Nakamizo

今年もセ・リーグにとって絶望の地となったヤフオクドーム。ちなみに来季からはペイペイドームになるそう。

ペナントではごまかせていた弱点が……。

「3年連続日本S開幕投手の気迫 千賀G制圧」

 翌朝、西スポを読みながらホテルで朝食を取る。というかここ何年か生活リズム的に夜中から明け方にかけて原稿を書いて、午後まで寝るので、俺的には夜食だ。

 って美味いよっ! 明太子も煮物も美味い。ふりかけはご当地九州シリーズというささやかな気遣いも泣ける。忙しいときほど睡眠と食事をしっかり取らないと体調を崩しちまう。

 ひたすら食べて寝て、20日午後、第2戦も絶好調で球場へ向かう。途中、博多純系豚骨らーめん『まんかい』で腹ごしらえ。それにしても、旅先で食べるラーメンはなんでこんなに美味いんだろう。

 まあ試合にはまた完敗したけど。

 ……あ、度々すいません。

 思わず1行でゲームリポートを終わりたくなる負け方で巨人は連敗。6-0とリードされた最終回に3点返すのが精一杯だった。内野席から眺める、異様に綺麗でデカいヤフオクドームの「ホークスビジョン」は選手情報も細かく圧倒された。

 中継ぎにしろ、萎縮する若手野手陣にしろ、東京ドームの古さにしろ、セ・リーグのペナントではごまかせていたチームの弱点が日本シリーズでは容赦なく暴かれてしまう。なによりチームの生命線の2番坂本勇人と3番丸佳浩に元気がない。結局、東京に戻っても、流れは変わらずあっという間の4連敗でジ・エンド。

最後はあの名台詞で終わりにしよう。

 全4戦を球場観戦して、最後は阿部を胴上げで見送り、2019年の日本シリーズは終わった。

 客席で呆然とその様子を見届けながら、悔しさと寂しさと同時に心のどこかでこれで良かったのかもしれないと思った。うん、坂本勇人に来季のテーマが残って良かったなって。

 キャプテンとして初めて優勝して、長嶋さんを抜く球団生え抜き右打者初の40本塁打を打って、シーズンMVPも決定的で、いわば完璧すぎる1年。それが、最後にホークスにボロクソにやられて来年のテーマが見つかった。

 チームも同じだ。5年ぶりのリーグ優勝をしなければ、6年ぶりの日本シリーズまで辿り着かなければ見えなかったいくつもの課題が分かったんだから。阿部もマシソンも去った原巨人は、これからの若いチームだ。

 次は、必ず。ファンにそう思わせてくれるチームだと思う。最後は漫画『スラムダンク』のあの台詞で終わりにしよう。

『はいあがろう 「負けたことがある」というのが いつか大きな財産になる』

See you baseball freak……

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