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無能な強化担当に、経験不足の監督。
マンUに残された唯一の方法とは。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto Press
posted2019/10/27 11:00
アグレッシブなスタイルでマンU復権を目指すスールシャール監督。しかし結果が出ず、厳しい風当たりにさらされている。
スールシャールも経験不足を露呈。
現場を預かるオーレ・グンナー・スールシャール監督も同罪だ。ユナイテッドを率いるには、あまりにも経験が不足している。
明確なゲームプランを持っていないため、劣勢になるとベンチでフリーズする。サム・アラダイスやアラン・パーデュー、マーク・ヒューズ、デイビッド・モイーズと同じタイプだ。
0-1で敗れたニューカッスル戦(第8節)の終盤も、空中戦に強いハリー・マグワイアが後方から放り込み、ドリブラーのダニエル・ジェイムズやタヒス・チョンがそのボールを追いかける、世にも奇妙なプランで失笑を買った。
続く第9節のリバプール戦でも1-1で迎えた後半の追加タイムに、極めて重要、かつ緊張する時間帯で、19歳のブランドン・ウィリアムズがリーグデビューを飾った。そのままのスコアで終わったとはいえ、リスクのある人選で試合後のコメントも的を射ていない。
「今回の引き分けはチームが正しい方向に進んでいる証だ。ケガで戦列を離れている選手たちも次々に戻ってくる。今後は上向いていくだろう。レフェリーのジャッジもすべてフェアだった」
リバプールはサラー抜きだった。
正しい方向に進んでいるだって?
スールシャールは何も分かっていない。リバプールはコンディションが下降気味で、足首を痛めているモハメド・サラーはベンチにすら入っていない。それでもユナイテッドは勝てなかった。
ビクトル・リンデロフのファウルがVARでも認められなかった結果、マーカス・ラッシュフォードのゴールが生まれたというのに、何をもってフェアと表現したのだろうか。
かつて同じ飯を食ったロビン・ファンペルシが、「スールシャールは何を言いたいのかよく分からない。一度きちんと整理してから話さないと、選手たちが混乱するだけだ」と指摘していたが、今回も説得力に欠ける内容に終始した。
<ポゼッション>
リバプール:67.9% ユナイテッド:32.1%
<1対1の勝率>
リバプール:56.4% ユナイテッド:43.6%
<パス総数>
リバプール:648本 ユナイテッド:300本
<パス成功率>
リバプール:84.6% ユナイテッド:67.3%
<敵陣パス成功率>
リバプール:76.2% ユナイテッド:51.4%
後半、ユナイテッドが守りに重点を置いたとはいえ、上記のデータをチェックすれば、スールシャールも間違いに気づくだろうか。