フランス・フットボール通信BACK NUMBER
27歳時点だとどちらがビッグ?
ネイマールとブラジルの偉人達。
text by
トマ・シモンThomas Simon
photograph byStephane Mantey/L'Equipe
posted2019/10/07 11:15
セレソンの応援で肩を落とすネイマールファン……栄光の記憶も多いはずだが、そのマイナスイメージも大きいのがネイマールである。
ロマーリオ('93年に27歳)
27歳当時すでに稀有なストライカーとして真の輝きを放っていたが、ブラジル代表監督とは折り合いが悪く、PSVアイントホーフェンからヨハン・クライフが指揮するバルセロナに合流した。スペインではタイトル獲得(リーガと得点王)を成し遂げたが、ブラジル代表での活躍(ワールドカップ優勝と最優秀選手賞獲得)はその翌年のことであった。
それ以前のPSV時代は、国内タイトルを総なめにするに留まらず、チャンピオンズリーグでも2度('90年と'93年)得点王に輝き、在籍した5シーズンで140試合に出場し128得点をあげている。
'89年コパ・アメリカ決勝での決勝ゴールや決勝まで進んだソウル五輪では得点王の実績を残したが、'90年ワールドカップは失意のうちに終わり、ブラジル代表に4度目のワールドカップ優勝をもたらすのは28歳になったときだった。
<評価:ロマーリオはネイマールを下回る>
リバウド('99年に27歳)
長く名誉から遠ざかっていたのは、マリオ・ザガロが彼を“ブラジル代表の黒猫(裏切り者などの意)”と見なしたからだった。
彼のせいでブラジルは'98年ワールドカップ優勝を逃した。だが、1年後のコパ・アメリカ優勝は大会得点王と最優秀選手に輝いた彼の活躍の賜物であり、リバウド自身も偉大な選手という評価を確立した。パルメイラスでブラジル全国選手権を獲得('94年)した後、バルセロナでも2度のリーグ優勝('98年と'99年)。
デポルティーボ・ラコルーニャ経由でバルサ入りした彼は、入れ違いでバルサを去ったロナウドの代わりは十分に果たしたものの、チャンピオンズリーグ決勝にまで導くことはできなかった。
クラブでも代表でも、チームの大黒柱であり技術的なリーダーでもあった。バロンドール受賞は27歳の年であったが、ワールドカップ優勝は2002年、ミランでのCL優勝はその翌年で、いずれも30代に入っての栄光であった。
<評価:リバウドはネイマールと同等>