セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
笑顔の冨安健洋に地元記者も期待。
古豪ボローニャで現状の序列は?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byUniphoto Press
posted2019/07/30 17:00
ボローニャに加入した冨安健洋。日本代表でも軸となったセンターバックが守備の国イタリアでどんな結果を残せるか。
気になる現時点の序列は……。
4バックのうち、現時点でセンターバックの2枚を任されているのは、セリエA出場数279試合を数える35歳のベテランDFダニーロと今夏新加入のDFデンスウィルだ。
冨安と同じくベルギー経由でセリエAにやってきた26歳のデンスウィルは、昨季ブルージュでのCL経験を買われており、ポジション争いで一歩先行する直接ライバルといえるだろう。
ただし、26日のケルン戦に先発したデンスウィルは不注意によるミスで相手の先制点を招き、チームは後方からのプレー構築に苦しんだ。一方で、冨安は後半から右サイドバックとして出場し、1-3の敗戦にもかかわらずまずまずの評価を受けた。
冨安は、入団を決める前にミハイロビッチから電話を受け、4バックも3バックもこなせる順応性の高さや最終ラインからのビルドアップを評価されたという。
現時点でのポジション序列は、センターバックとしては3番手=リザーブの1番手、右サイドバックとしては昨季後半戦の立役者の1人であるDFエムバイェと真っ向勝負、といったところだろうか。
ガゼッタ番記者の評価も悪くない。
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙のボローニャ番記者マッテオ・ダッラ・ビーテの冨安評も悪くない。
「こっちに来て間もないのに、対応に柔軟性がある。注意深くプレーに専念している点がいい。センターバックとしてはDFダニーロと、右サイドバックではDFエムバイェとポジションを争えるんじゃないか。もちろん、これから(生活環境などさまざまな点で)順応する時間が必要だとは思うが、プレーが高いレベルにあることはもう見て取れる。貪欲に学ぼうという姿勢が見えるのもいい」
レギュラー獲りのためには、本人も気にかけている通り、やはり言語習得が鍵になるだろう。
あの“しまった”という顔が忘れられない。
3年前のジェノア対ミラン戦で、ミランの4バックは相手の低い右クロスに対するオフサイドトラップに失敗し、先制点を献上した。正確にいうと、4人のイタリア人DFは小さい頃から何百、何千回と繰り返してきた通り、余裕をもって完璧なラインコントロールをした。しかし、ファーサイドにいた本田圭佑の動き出しが遅れ、トラップは破られた。