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アーセナルにとっては最悪の夏か。
補強は若手中心、主将は移籍志願。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto Press
posted2019/07/21 11:40
新戦力補強が進まない中、頼れる主将DFコシェルニーが移籍を志願。アーセナルは上位3クラブを脅かす存在になれるか。
指揮官は「3~4名は獲得できる」と強気。
「早急な改革が必要だ、というサポーターの皆さんの考え方には同意できない」
アーセナルのオーナー、スタン・クロエンケの一言は悩ましすぎる。プレミアリーグで優勝を争うには、アレクサンドル・ラカゼット、ピエール・エメリク・オーバメヤンに匹敵するアタッカー、フィジカルが強く、守備意識の高いMF、スピード豊かなCBと左サイドバックが必要だが、オーナーみずからが強化に消極的ではお手上げだ。
リース・ネルソン、エミル・スミス・ロウ、ジョー・ウィロック、エディ・エンケティアなどの若手を積極的に登用し、「将来を踏まえた刺激的な人選」と妥協するしかない。
昨シーズンまでの主力はひとつ歳をとり、チャンスが与えられる若手は未知数だ。現地時間の8月11日に予定されているニューカッスルとの開幕戦(アウェー)は、新鮮味に欠け、熟成もしていないメンバーが顔を揃えるだろう。
ロブ・ホールディングとエクトル・ベジェリンは、ケガのために開幕には間に合わない。2003-04シーズンに無敗優勝を遂げた当時の主力であるエドゥがディレクターに就任したものの、財力に限界があっては彼のネットワークも最大限には活用できない。
「近いうちに3~4名は獲得できる」
エメリ監督は『BBC』(英国放送協会)の問いかけに強く反応してみせたが、サポーターが期待する改革は、まだまだ先の話だ。