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アーセナルにとっては最悪の夏か。
補強は若手中心、主将は移籍志願。
posted2019/07/21 11:40
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Uniphoto Press
うまくいっていない。
八方塞がりだ。
アーセナルが、最悪の夏を過ごそうとしている。
補強費は4500万ポンド(約60億円)しかない。ユーリ・ティーレマンスとアジョセ・ペレスに7000万ポンド(約94億円)を投下したレスターを下回り、計7名の獲得に7610万ポンド(約102億円)を注いだアストンビラにも劣る額だ。
18歳のガブリエル・マルティネッリを、ブラジルのイトゥアーノから推定670万ユーロ(約8億円・移籍金非公表)で獲得したが、イングランドの市場が閉まる8月8日17時(現地時間)までに即戦力を補強できる確率はかなり低い。
強化費を捻出したくても、余剰戦力を整理する以外の手段が見つからないのである。
“余剰戦力”の買い手が見つからない。
ところが、メスト・エジルは残留を宣言した。アーセン・ベンゲルが率いていた当時のようなアンタッチャブルではなくなり、ビッグファイトではベンチから外れるケースが増えてきたにもかかわらず、エジルは現状にそこそこ満足している。
ヘンリク・ムヒタリアンはコンディション調整がままならず、ウナイ・エメリ監督の評価も下がるばかりだ。
シュコドゥラン・ムスタフィはすでに見切られている。失点に直結するミスを犯したときに責任転嫁するようなふざけたDFは、一刻も早くお引き取り願った方がいい。
3選手の市場価値は合計で7000万ポンド(約94億円)前後だ。強化費の足しになる。しかし、エジルが翻意したとしても週給35万ポンド(約4700万円)がネックになり、そう簡単に買い手は見つかりそうもない。