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オランダ2部ベスト11から1部移籍!
ウェルメスケルケン・際が語る野心。
posted2019/07/20 17:00
text by
菊池康平Kohei Kikuchi
photograph by
Kohei Kikuchi
つい先日、オランダ人の父と日本人の母を持つファン・ウェルメスケルケン・際のズウォレ(エールディビジ/オランダ1部リーグ)への移籍が発表された。コパ・アメリカに招集された中山雄太も所属するチームだ。
際との最初の出会いは2018年5月。筆者はヨーロッパ取材に向かうにあたり、現地で活躍する選手の1人としてファン・ウェルメスケルケン・際の名前を見つけた。リオ五輪の直前に行われたトゥーロン国際大会でU-23日本代表に選出された選手、といえば記憶にある人も多いだろう。
ダイレクトメッセージで話を聞きたい旨を送ると丁寧な返信が返ってきた。オランダのレーワルデンへ向かい練習場へと赴くと、フィールド上で激しく身体をぶつけ、大声で仲間を鼓舞し、戦う際の姿があった。
それから約1年後、2019年7月はじめに都内で再会。さらに逞しくなった身体がこの1年の充実ぶりを物語っているようだった。
オランダ2部で年間ベストイレブン。
2018-19シーズンはエールステ・ディビジ(オランダ2部)全試合にフル出場。オランダ2部のフィールドプレイヤーで全試合に出続けた選手は際ただひとりだった。
所属するカンブールの順位こそ10位にとどまったが、データ分析会社である『Opta』が選出する年間ベストイレブンに選ばれたのである。彼が活躍できた秘訣とはなんなのか、それを尋ねた。
「一番の要因は監督に信頼してもらったことです。僕のプレースタイルを必要としてもらえチームの完璧なピースになれました。毎週コンスタントに良いプレーを出し続けられたことがベストイレブンに選出された理由だと思います。
Optaという走る距離やパス成功率などの数字をベースに算出されたベストイレブンでしたので、記者の好みや主観からではなく、リアルなデータから選出されたんです。それは自信になりましたよ」
監督に求められていたものはどんなプレーなのか。際はこのように振り返る。
「もう1人のサイドバックは縦にガンガン行く攻撃的なタイプの選手でした。僕はセンターバックから苦し紛れのパスをもらうことが多かったのですが、しっかりボールをキープしたり、相手のプレッシャーを外して、逆サイドや前に付けて展開する起点となるプレーを得意としました。それがチームとして功を奏していたんです」