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初戦後のミーティングで団結、涙も。
なでしこ鮫島「一番声が出ている」
text by
日々野真理Mari Hibino
photograph byGetty Images
posted2019/06/25 11:00
スコットランド戦で先制点を決めた岩渕真奈(左)。決勝トーナメント1回戦のオランダ戦ではバイエルン時代の同僚ミーデマと対戦する。
士気を高めた選手間のミーティング。
鍵となったのが、初戦から2戦目の間に行われた選手間のミーティングだった。
キャプテンの熊谷紗希と鮫島が中心となり、全員が集まり、思いを交換し合った。
「このメンバーで少しでも長く一緒に戦っていきたいから」
その中には、まだ怪我から復帰できていない選手への思いも込められていた。中でも、連日、誰よりも長い時間をかけてトレーニングに励み、ピッチに立つ努力を続けている阪口夢穂への思いは強い。
思いがけず自分の名前が出た阪口自身も、目立つことを恥ずかしがる性格なこともあり、「その思いはとても嬉しかったですし、照れた。でも、私のことは気にせずに、自分たちのことだけに集中してみんなは戦ってほしいって思いました」と、その日のことを振り返る。
「一緒に戦うためにも、ここで終わるわけにはいかないんだ。絶対に勝ちたい――」
そんな思いを伝えあう中で、感極まり涙を浮かべる選手もいたという。
守護神・山下も感じたチームの結束。
チームの守護神で、初めてのW杯に臨んでいる山下杏也加はこう振り返る。
「空気を変えられたのは、あのミーティングがあったからというのは大きいです。4年に1度のこの舞台に、こうして23人が集まって試合をするのは本当に特別なこと。その時間は限られているんだということ。もちろん、私たちも特別な舞台であることは頭ではわかっていたけれど、紗希さんや鮫さんが話してくれて、いかに重みのあるものなのかということをあらためて感じました。
少しでも長くみんなと一緒にこの舞台でサッカーがやりたい。そんなチームの想いが強まりました」