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初戦後のミーティングで団結、涙も。
なでしこ鮫島「一番声が出ている」 

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日々野真理

日々野真理Mari Hibino

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photograph byGetty Images

posted2019/06/25 11:00

初戦後のミーティングで団結、涙も。なでしこ鮫島「一番声が出ている」<Number Web> photograph by Getty Images

スコットランド戦で先制点を決めた岩渕真奈(左)。決勝トーナメント1回戦のオランダ戦ではバイエルン時代の同僚ミーデマと対戦する。

勝ち点3を引き寄せた2トップ。

 迎えたグループステージ第2戦のスコットランド戦。

 会場入りする選手たちの表情、漂う空気は、初戦とは全く違って見えた。そして試合が始まると、立ち上がりから勇敢に戦い、選手たちは自分たちの良さをピッチで表現してみせた。

 中でも、2トップの菅澤優衣香、岩渕真奈の二人の存在がチームに力を与えていた。

「私は言葉で引っ張れるようなタイプではないのでプレーでチームを引っ張っていきたい」と菅澤が語ると、「もちろんチーム全員で戦うけれど、まずはピッチに立つ11人が責任を持って出し尽くすことが大切」と岩渕も気迫を込めた。

 まさに有言実行。2トップが得点をしたことが何よりチームに勢いをもたらした。

輝きを見せた19歳遠藤純。

 そんな中、この試合で未来につながる光ともいえる存在感を見せたのは最年少の遠藤純だった。'11年になでしこジャパンがドイツ大会で優勝した時は、テレビ画面で見る先輩たちに憧れを抱く小学5年生だった。

 翌年のロンドン五輪には、企業の小学生を対象とした企画で招待され、なでしこジャパンの戦いを現地で目にしている。「私もあの舞台に絶対に立ちたい」と心に強く誓ったという。

 その夢を叶えて立つピッチで、岩渕の先制ゴールのアシストを決めて見せた。この大会を通して、「自信を持って」「冷静に」という言葉を多く口にする彼女は、初めてのW杯にもかかわらず、堂々たるプレーを見せ、ピッチで存在感を示している。

 大会期間中にどれだけ成長する姿を見せてくれるのか、決勝トーナメントでも楽しみな選手である。

【次ページ】 次なる相手は欧州女王オランダ。

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