ぶら野球BACK NUMBER
改修直前、思い出の“西武球場”へ。
野球は儚く変わっていくものだから。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byYasutaka Nakamizo
posted2019/06/21 08:00
メットライフドームの玄関口「西武球場前」。池袋から30分強の絶妙な距離感である。
グラウンドでアラフォー2人で写真撮影。
試合は3番手・高木京介の圧巻の3イニング完全リリーフで主導権を握った巨人が、8回にも4点を追加して勝負あり。9-4で巨人勝利。
いやぁナイスゲームとハイタッチを交わし帰ろうとしたら、観客が続々とグラウンドへ降りて行く。なんと誰でもフィールドを歩ける「フィールドウォーク」というイベントらしい。最高だ。
外野って実際に立つとやっぱめちゃくちゃ広いよね。とか言いながら、みんな嬉しそうにさっきまで選手たちがプレーしていた芝に寝転び、記念撮影。ついでに俺らもピースサイン。街中でアラフォー男2人組がニヤつきながら写真を撮り合っていたらヤバい奴だが、野球場ならそれが許されるから不思議だ。
帰りの西武線は乗客が分散されそれほど混んでなかったが、なかなか普段の生活で1時間近く普通列車に乗ることはない。都内からは軽い小旅行気分である。
よく日帰りの温泉旅行と言うけど、大人の日帰り野球旅行も悪くない。改修前の令和元年のメットライフドーム、いや思い出の西武球場に来れてよかった。
プロ野球は儚い、見たい時に見ておかないと。
大学生の頃、毎日のように藤井寺球場の前を通って近鉄電車で通学していたが、いつかナイターでもと思っていたら結局一度も行くことはないままスタジアムは解体されてしまった。最近でも、今シーズンの上原浩治の二軍登板試合を観戦しなかったことを少し後悔してる。
プロ野球は儚い。球場も選手も見たいと思ったときに多少無理してでも行っておいた方がいい。
「7月にハマスタでイースタンの巨人戦が午前11時プレイボールの日があって。マジ行き
てぇ」
西武線に揺られながら、売れっ子スタイリストはそう言って笑った。
愛すべき野球バカたちを乗せて、今日も列車はどこかの球場へ走る。
See you baseball freak……