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森重真人が今、明かすW杯落選。
昌子源へのLINEとJ1制覇への決意。 

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占部哲也(東京中日スポーツ)

占部哲也(東京中日スポーツ)Tetsuya Urabe

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photograph byJ.LEAGUE

posted2019/06/21 11:45

森重真人が今、明かすW杯落選。昌子源へのLINEとJ1制覇への決意。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

ロシアW杯落選から1年、新たなモチベーションを見つけた森重真人。J1制覇へ向けてFC東京を牽引する。

首位を走るFC東京を牽引。

 さて、今年の6月に戻ろう。「第一章」のラストページ、森重に誰もいない練習場を走った記憶をひもといてもらった。今は痛むことはないが、痛みの記憶まで消えたわけではない。それでも掘り起こしてくれた。

「昨シーズンは左足首の手術明けで、早く自分の納得いくプレーを戻したかった。もちろん、最後まで望みを捨てないっていうのもあったけど、自分自身に妥協したくなかったし、周りの目にも負けたくなかった。結局は負けず嫌いなんですかね。

 W杯のメンバーには選ばれなかったけれど、支えてくれた人たちが『私は森重選手を知っている』って胸を張って言える存在でありたかった。そのためには、ただ、ただ自分に負けたくなかった」

 誰にも見られていないと思っていたが、旧知の記者がこっそりミタ! そして、伝えてくれた。報われない努力だったかもしれない。ただ、それは短期的な目線。バカンスに出かけず、自分に負けず、継続した。その結果、どうつながったかは明白だろう。首位を走るFC東京はリーグ最少失点で、その守備陣を統率する。32歳になった門番は言う。

「今は何より時間がほしい」

「本当に1日の時間が足りない。27、28歳に比べれば体の回復、けがのケアの時間も増える。新しいトレーニングも始めた。いろいろなことに敏感になってきたし、やりたいこと、やることがたくさんある。今は何より時間がほしいですね」

 老いは衰えではない。できないことは出てくるが、それにより気付かなかったことに目を向けるきっかけにもなり、新しい力を手に入れられる。円熟。知識と経験は深みを増し、引き出しは豊富になる。30歳を超えても伸びしろは確実に存在する。

 首都クラブに在籍して10年目。いつしか最古参になった。そして、W杯ロシア大会後の森保ジャパンには一度も招集されていない。いつしか周囲は「代表」という単語を発しなくなった。

 でも、だ。この環境によって胸の奥に新たな火、炎を宿した。

「周りの目を見返したいですね。そのためにまずは今シーズン、クラブで結果を出す。J1優勝。もし、その先に代表復帰がなくても、それなら納得できる。やったってね。そのためには結果を残さないと。そういう気持ちかな」

【次ページ】 森重真人の「第二章」。

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